2022年04月11日

ランボー超人Bの物語-11 ヒーローにランクアップB

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その翌々日、駒ちゃんから“殿が特番に出てくれないかなって言ってるけど、どう?”ってメールが入った

俺はあの日の事件後に、警視庁に戻っていろいろ報告書用の事情聴取(さすがに報告書はSITの誰かが書く)されて、昨日はなんか頭が疲れた(身体はなんともないんだけど)感じだったんで、一日中ゲームとかだらだらしてた

今朝は、まあ復活したんで、久しぶりに雄仁塚に行ってみようか、って思ってたんだけど、もちろん駒ちゃんの方を優先して“いいよ、これからTテレに行こうか”って返信した

駒ちゃんの方は、そんなに即、俺が行くって言うとは思ってなかったみたいで“殿に都合どうか訊いてみるね”って返信があった

俺も、じゃあ来て、って返事になったら、何着てけばいいかな、なんてちょい悩み
言ってなかったけど、最近稼ぎが良くなったんで、近々渋谷区の築20年2LDKのマンション(管理費込み家賃26万)に引っ越す予定。5階だから飛んで出勤するのに便利なんだ

駒ちゃんにも相談したら、中目黒にも近いねってことで賛成だったよ。引っ越しの日はお祝いに来てくれて、そのままお泊まり、な〜んてあるかもなぁ…

そっちならウォーキングクロゼット(っていうか物置部屋)があるんだけど、今はカバー付きハンガーラックにぶら下がってる少ない服を、どうしようか眺めてる俺

そこにTEL入った
「勇太郎さん。来られるんなら、打合せしたいから、出来るだけ早く来て欲しいって」OK、了解って応えて俺は結局、いつものランボーコスチュームを手に取った

*

いつものようにヘリポートから入って、制作会議の部屋に向かう
局員も、大分超人ランボーの俺に慣れて、普通に部屋に入れてくれる

メインキャスターの殿倉さんと、サブキャスのレイコさんが軽く手を上げて、隣の席に来るように言ってる
番組Pの御香山さん、チーフDのザキさん、水越アナ、星野アナ、地味な報道局次長の冠沢さんまで居る

駒ちゃんも、他のフロアDやADに混じって席に着いてる
「それでは主役も到着したようなので、特番の最終進行ミーティングを始めます」ザキさんが、緊張した声で発言した
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2022年04月02日

ランボー超人Bの物語-11 ヒーローにランクアップA

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犯人は中華屋の店員とは言っても、警察官が化けてるんじゃないかってハナから疑ってるみたいで「岡持ちをそこに置いてお前は、もう帰れ!」みたいなこと言ってる

ドア越しに室内を透視すると、男が一人猟銃らしき長い物を持って、カウンターの上で仁王立ちになっている
そして、いつもの待合コーナー辺りに、人質なんだろう人影が一塊になって、床に座らされてる

犯人はもう一人いるはずなんだけど、そいつの姿は見えない
まあいいや、中に飛び込んじゃえばなんとかなるだろうって思った(そういうのはやめてくれ、って成森さんがしつこく言ってたけど、俺にはなんか自信があった)

その辺りまで見といて、俺はわざとガチャッて音をさせて、ドアの前に岡持ちを置き「じゃ、置きましたから」って大きな声を出して、足音をばたばたさせて、その場を離れてった

自転車置き場の陰に隠れて、耳を澄ましてちょっと待つと、ドアがちょっと開いて、中から外の様子を窺ってる奴がいる(さっき見えてなかったもう一人だな)

その後、急にさっとドアが開いて、男が出て来て岡持ちを中に持ち込もうとした、けど、中にはラーメン4杯炒飯3皿分入ってるから(人質分も含む)、ちょっと重い
少しもたもたしている隙を突いて、猛スピードで走り寄って、男を部屋の中にどん!って突き飛ばした

男は岡持ちといっしょに、どんがらがっちゃんみたいに、ど派手に転げ込むと壁にぶつかって、ラーメンと炒飯でぐっしゃぐしゃになって転がった

それを見て、銃(らしい物)を持った奴が「くっそー!」とか叫んで、こっちに銃口を向けた
だけど、なんてったって俺は超人なんで、続いて一気にロケットダッシュで男にタックルをかました

その瞬間、ダンって発砲された弾が俺の右耳をかすめて、後ろの壁に当って欠片が飛び散る
同時に、俺の猛タックルは男の胴体を捉えて、すごい勢いで二人一緒に窓ガラスに突っ込んだ

ガッシャーン!!と、びっくりするような音がして、どでかい窓ガラスがバッシャーンって割れて、俺と男はひと固まりになって、窓の向こうに降りているシャッターに激突でした

もちろん、俺は平気な顔で、割れたガラスの欠片を手で払いながら立ち上がり、銃を持ってた男の方は、ガラスでそこらじゅう切っての血まみれ状態で、そのままのびちまってる

俺が余裕かまして「皆さん、お怪我はありませんか?」とか話しかけてたら、人質の中の何人かが「危ない!」って叫んだ

指差してる方を見ると、ラーメンの麺と汁にまみれてた男が、さっきふっ飛ばした奴が放り出した銃を持って、突っ立ってるじゃないか

「キッサマー!!」って、なんか妙な発音で怒鳴ると、俺に向けて銃をぶっ放した
今度は、しっかり腹の辺りに当っちまって、借り物のラーメン屋の店員服に穴が開いた

なんか、すごく頭に来たんで、カウンターを飛び越して、そのまま真直ぐ男に掴みかかってった
銃の筒になってるとこを引っ掴んで、ぐいっと思いっきし引っ張ったら、そのままこっちに引っ張り込れて、びっくり顔のまま俺の顔に超接近

その顔がうざくって、今度はぽんって横に振ったら、大体この部屋で一番偉い人の席らしい大きな机と椅子の中にぶっ飛んで、今度こそ動かなくなった

その様子を観てた人質の人たちから、思わず拍手になって、俺はラーメン屋の店員の恰好のまま、頭をかいてお辞儀するみたいな、ちょいお間抜けなシーンになっちまった

全部片付いた後で、葛城警部からは「お前さんはやり過ぎだぞ!」って、小言食らったけど、その後会いに来てくれた成森さんからは「ど素人の作戦の割には、上手くやったじゃないか」って褒められた

実を言うと、暇してた時に何回か、Tテレに行って振り付けの堂上さんに頼んで、アクションの殺陣のかっこいいのを教えてもらってたんで、少しは要領よく動けたんだと思う

ただ、この日の活躍でムッチャ俺の評価が上がっちまって、結果その後、大変な状態になるってことは、この時には考えてもなかったんだよね
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2022年03月24日

ランボー超人Bの物語-11 ヒーローにランクアップ@ 

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まあ結論言うと、二人はちゃんとホテルに泊まれて、ちゃんとした恋人同士になれたんだけど、そこまで行くのに俺、思いっきしあせあせだった

なにしろ、これまでの人生で、もてる方じゃなかったんで(大学でも彼女いなかったし…)、正直、どの段階で今夜泊まれるの?って、聞いたらいいのか分かんなかったんだ

でも、特急で甲府駅に着いて、同じ中央線を春日居町駅まで戻るとかしてるうちに、彼女の方から景色とか、ホテルの建ってる場所から見える川が、笛吹川だっていうこととか、料理の名物がブドウ酒の原料のブドウを食べさせた豚なんだとか、いろいろ話してくれて、俺も、前回泊まったとき、警察官が一杯来て大変だった話とかしてるうちに、やっといつもの調子になれたんだ

部屋に案内されてから、とりあえず大浴場の温泉に入って、ホテルのレストランの美味しい料理と甲府ワインで、二人とも(俺の方が、かな?)ご機嫌になって、最後は部屋に戻って窓から見える夜空の星なんか眺め、ぎくしゃくしつつも段々盛り上がってった

どっちからって訳じゃなく、なんとなく手が重なると彼女の力が抜けて、俺にもたれかかって来たんで、とにかく焦らんように“落ち着け俺”って心で唱えて、なんとか無事に恋人関係に昇格!

俺をはねた宇宙人のタイムトラベラー(名前訊いてなかったわ)が、アソコはそのままにしておいたって、言ってたことが、今頃感謝感謝だったってことだけ、ご報告しときます!

それにして、翌朝の駒ちゃん、いや純ちゃんの可愛らしかったことと、俺の中に彼女を守るぞぉ、って気持ちがむらむら湧いたことが、なんてったって、印象に残ってる
…ということで、初めての彼女との一泊旅行は、素晴らしい思い出になったのであ〜る!

*

そんな素晴らしかった日も、あっという間にスマホの写真で見ることになって、もう1週間経っちまった
駒ちゃんは毎日忙しいし、俺の方も雄仁塚建設から頼まれたビルの解体工事の応援とか、SITの方に顔出しとかで、なかなか会えてなかった

そして、ついについに、SITの出番の日がやってきたんだよ
雄仁塚の現場で昼飯食ってるとき、スマホに成森さんから着信があって「青梅市の信用金庫で人質監禁立てこもり事件が発生したので、至急現場に向かってほしい」だと

解体工事現場の隅さんに事情を話してから、即(警察の呼び出しのときは即行っていいことになってる)、アパートに戻ってランボー衣装に着替えて、青梅市の事件現場にすっ飛んでった(でも現場に直、空からはNGだって言われてたんで、近くの公園に降りてから走って行った)

信金の支店に到着すると、何台ものパトカーとSITの指令車、そして隊員が乗って来たグレイの警察車両のほかにも、テレビ局の中継車や新聞社の車なんかが、わんさかいるしヘリも何機か飛んでる

SITの車に行くと、顔見知りの葛城警部が居たんで、寄ってくと「その恰好かぁ、まああっちの輸送車で待機していてくれ」とだけ言って、後は別の隊員たちと話しを続け始めちゃった

なんか、仲間はずれな感じがしたけど、まあ大人しく輸送車に行って、座席でお呼びがかかるの待ってた
しばらく放っとかれて、なんだかなぁと思ってると、ドアが開いて成森さんが顔を出した

「すまんすまん、まだ人質救出方針が定まってないんだ。犯人は二人。猟銃のようなものを所持してるんで、人質に危害が及ばないよう、上が慎重になってるんだ」その話しっぷりは緊張感あって、ドラマみたいだ

「俺、窓から突っ込んでてって、犯人の銃、取り上げちゃいましょうか?」どうせ撃たれたって平気なんで、ずばっと言うと「いやいやそれはまずいだろ」って、慌てて手を振ってNGを出す

そのままこう着状態が5〜6時間経ってから、SIT隊員の一人がやってきて、ついにお呼びが掛かったと言う
ただし、その恰好はまずいから、こっちの中華料理店の店員の服に着替えてくれ、とか言う

せっかく着て来たのに、とかつい愚痴ると、成森さんも「作戦だから、そうしてくれ」って言う
まあ人質救出が大事なのは俺も分かってるから、文句を言わずに急いで着替えた

大体、超人前は外食チェーンの店長見習いもやってたんで、着替えると我ながら妙に似合った感じになる
「おお、いいな。なんかぴったりだわ」って、チャチャ入れてるのか褒めてるのか分からん成森さんの声を聞きながら、指令車に行くと、葛城警部が「おお似合ってるな。それなら相手も油断するわ」とか言う

作戦とは、犯人に夕食の差し入れを提案して、相手が望んだ炒飯とラーメンを俺が持って行き、隙を見て現場を制圧するという、単純なものだった(後で成森さんから聞くと、俺がなるべく現場をぶち壊さないように、っていう作戦だったらしい。修理代を出したくなかったとか…)
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2022年03月20日

ランボー超人Bの物語-10 正義の味方始めましたC

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合同訓練の日から何日か過ぎた金曜の夜、明日明後日の連休は駒ちゃんと何処かに行けたらいいなってことで、メールしてみたら、ナント!“いいわよ、どこ行く?”って、即、返事が着信!

こんなにすぐに“いいわよ”が返って来るなんて思ってなかったんで、正直慌てちまった。だって、まだなんの計画も立ててなかったんだ
でも、チャンスはチャンスだ。急いでどっか行きたいとこなかったか、頭の中を探した。…あった

早速メッセージに、山梨の温泉に行くのはどうかな?って、どきどきしながら送った(下心ありって思うかな…)
今度は10分くらい経ってから“OKだよわーい(嬉しい顔)”って、めちゃ嬉しい返事があった!

それで早速、あのとき泊まったホテルの電話番号を調べて、宿泊の予約を申し込んで(どきどきの一部屋!)から、駒沢さんにメールした
立川駅からモノレールって手もあるけど、駒ちゃんからすれば、新宿−中央線−JR立川−中央線−春日居町ルートが、いいんじゃないかって付け足した(フツーのデートだから空は飛ばない!)

メール送ってから、返信が待ち切れなくって、そわそわが止らない
窓から外に出て、満月みたいな月が出てる夜空に飛び上がった

まだ9時ちょいだから、街の灯かりはある
月をときどき隠すくらいの雲もあるから、紺のトレーナー上下で飛んでも恥ずかしくない

俺としては、初の一泊デートなんで、もし向うに行ってから断られるなんてこと、考えもしてないから、ただもうウキウキっていうか、ワクワクのコーフン状態で、とにかく爆発したい訳よ

それで、無茶苦茶ぶんぶん飛び回ったりして、お腹猛烈に空いてアパートに戻って、最近は金回りいいんで、冷蔵庫にあるハムとか、買ってあるフランスパンとか、かに缶とか、ビール飲みながらむしゃむしゃ食った

ちょっとのぼせてたと思うけど、まあアオハルだよね
はっと思い出して、スマホの着信見たら“立川駅11時頃付きます”ってなってて、またもう1本空けちった

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目が覚めたら、朝だった
今日は、って思い出したら、またわくわくが始まった

朝飯の前に、電動シェーバーを顎に当てる
ばりばり音がいい感じだ

超人になっても髭は伸びるし、剃ることもできる
これは不思議と言えば不思議だ。だって、やくざのナイフは全然肌を傷つけないのに、だぜ

自分とこうして話をしてるなんて、可笑しいじゃないかって思いはするけど、どっちかって言うと俺らしいって言えば俺らしい
大学でも特にサークルとか入ってなかったし(一応“社会経済現象研究会”ってとこに所属はしてた)、一人の方が気楽でいいなんて、誰にも言ってたから仲間なんていなかった

もちろん女の子になんて縁がなかったし、最初何回か断ってたら、飲み会の誘いもまずなかった(人数合わせで半額会費の時だけ参加したけど)
なんか言い訳っぽいけど、俺としてはそれで問題なかった

だから今回、駒沢さんとデートできることになって、うろうろしちゃってる訳
それと、もし今夜、駒沢さんが一緒の部屋に泊まってくれるってことになっちゃうと、俺としてはいろいろ不安なこともある訳で…わかるだろ

俺、超人だから、もしも駒沢さんとあんなことや、こんなこと(どきどきするよな)になれたとき、大丈夫か?俺、って心配がわやわやしてる(あの最中に、力が入っちゃったら、とか…それが心配)

そんなこんなを考えちゃうと、今日は止めといた方がいいのか、とか更に考えちゃう俺
いいや、それじゃ俺、なんにも出来ない人生になっちゃうじゃん、ってもう一人の俺が出て来て、文句言う

で、時計見たらやばっ!もう時間じゃん!!
大慌てで、デート用に用意してた服に着替えて、アパートの部屋を飛び出す(もうマスコミの張込みはなくなってる)

アパートから西に少し進むと、多摩モノレールの高架が見える。その高架下を、人や車にぶつからないように気を付けて、出来るだけマックスのスピード(多分時速40〜50q)で走った

玉川上水駅あたりから立川駅まで約4qを5分くらいで走りきったんで、立川駅の中央線ホームに特急電車が入って来たときには、余裕で間に合った

ホーム側の席に座れてなかったようで、駒ちゃんの姿は見えなかったけど、とにかく乗り込んでから、スマホメールで連絡をすると、真中辺りの号車の左側の席に居るよって返事があった

やっと一緒の席になれて、俺の嬉しさはMAXだぁ!
なんて浮かれていられたのは、最初のうちで、並んで座ってると話が出てこない

もちろん、お天気良くってよかったね、とか、今日、メガネじゃないんだぁ、とか、俺、特急乗るのって初めてなんだぁ、とか、どーでもいいような話はすぐに終わっちゃうから、後はなんとなく、二人ともこの後の予定が、すごく気になってるんだけど、そこには触れられない…くて、困ったのだ
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2022年03月12日

ランボー超人Bの物語-10 正義の味方始めましたB

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そうは言っても、給料振り込んでもらってるんで、俺は素直に「はい!」って大きな声を出して、訓練用の4階建てビルの屋上に飛び上がった
下では、SIT隊員が4人1班3グループで、建物表口と窓と裏口から突入を始める用意スタンバイだ

そんなら次は俺の番だなって思って、とりあえず屋上の床を透視したろうかって、じっと見つめてやった
ところがコンクリートが厚くて、ぼやっとしか見えない。しかも真上からだと、人の形ってちょっとした丸い影くらいにしか見えない

中で突入隊を待ち構えてるSATの連中は、まだ俺の詳しい能力は知らないはずなんで、俺がどんどん突っ込んでけば、それでヨシだろうけど、それじゃあSITの訓練にならないから、連係プレイを大切にしてくれ、って星崎さんから何回も念押しされてるんだ

特に言われてたのが、とにかく人質の安全が第一ってことだった
俺が一人で、ばりばり突っ込んで、犯人たちが慌てて人質を殺しちゃうとかになったら、作戦は絶対失敗になるから、って強く言ってた(怪我でも大体失敗って判断されるらしい)

それで、俺はなんでも静かにやらなきゃいかんってことになってる
ドアが開かなかったら、ぶっ壊すとかはNGで、まずどうやったら静かに先に進めるか、そこを考えてから行動して欲しいんだと

で、俺は屋上からそっと下の階の偵察ってことで(当然頭を下にして空中から)、窓の中を覗いていった
4階は、椅子に座った白Tシャツの男が一人、ドアの方を見ている(手にはピストル)

続いて3階を見に行くと、ちらっと見ただけで男が四人と、人質役らしいのが五人(犯人は皆、銃を持ってる)
人が多いんで、誰かに見つかるとヤバイから、ちょっと見ただけで屋上に戻った

Tテレで作ってくれた超人ランボー衣装は、ポケットとかがない
SITに連絡する用に用意してもらったのは、二つ折りのガラケーだった(頑丈な防水携帯)。それを、拳銃用のホルスターみたいなのに入れて装着している

本当はカッコいいイヤホンタイプの無線受信器が良かったんだけど、コスチュームの頭はのっぺらぼうなんで、耳に装着できない
それと、俺は乱暴に行動しそうだからって、スマホとかじゃ持たないって、装備係に言われたんだって

まあそんなんで、ホルスターから携帯を取り出して、俺はSIT指令車に報告した
「Rより報告。立て籠もり犯は、4階に一名、3階に4名と人質五名、確認しました」刑事ドラマの主人公になった積りで、出来るだけカッコつけて喋った

「指示車了解。2階と1階はどうなっているか」あ、まだ見てない
「これから確認します!」まずっちったなぁ…

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で俺は、めっちゃあせあせ状態で2階の様子を見に、また建物の外壁に沿って降りてった
2階には人が居ない。と思ったら、なにか動いた。距離があるけど透視してみた

女の人が一人、事務机の下に隠れてる。ということは、人質にされずに逃げてる役の人かも知れない
う〜ん、芸が細かいなぁって思わず感心。危なく見逃すとこだった

このことを報告しに行かなきゃ、って思ったその時、ドアが開いた音がして、銃みたいな物を持った男が、部屋に入って来た。
見つからなきゃいいけど、ってハラハラしてたら、結局見つかって、机の下から引きずり出された

なんか危ない状況になったんで、どうしようって迷ってるうちに、隠れてた女の人は両手上げの状態で、銃を突きつけられ部屋から連れ出されようとしてる

まあ、後で落ち着いたら、結局お芝居じゃんってなったんだけど、そのときは頭がかぁーってなっちゃって、気が付いたら俺、窓をぶち破って、部屋に飛び込んじまった

そん時、女の人がびっくりした顔してたのと、同じくらいびっくり顔の男の表情は記憶に残ってるけど、次は銃持ってた男はふっ飛んで壁にぶつかってたし、女の人は俺に腕を掴まれたときに、なんか一生懸命言ってたけど、そのまんま俺が一緒に窓からダイブしたから、屋上に着くまで悲鳴上げてた

女の人が落ち着く前に、ホルスターの携帯がぶるぶるバイブして、俺が慌てて出ると「ばかやろー!なにやってんだぁー!!」って思いっきし怒鳴られた

結局、訓練はそこで中止になり、SITの葛城隊長がSATの篠崎隊長にぺこぺこ謝ることになっちゃった
でもその後に、SITの指示車の中に入って、葛城隊長さんと3人の班長さんとのミーティングのときには、別に怒られはしなかった

「やはりランボー君は超人なんだねぇ。我々と連携作戦を取るというより、我々がランボー君をフォローできるオペレーションを、組み立てるべきだということだ」隊長さんが、エモいって感じで話すと

「現状打破力が抜群ですし、損傷を気にせず飛び込んでもらえるので、後の展開が容易になります」
「ヘリのように音が出ないので、場所、時、気象を問わずに作戦が組み立てられます」
「SATさんの応援要請も出て来るんでしょうな」班長さんたちも口々に発言するんで、俺も悪い気はしない
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2022年02月27日

ランボー超人Bの物語-10 正義の味方始めましたA

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星崎さんの電話が切れた途端、部屋の中に生暖かい風がふわっと流れた
ん…って思って部屋の中を見回したら、薄緑色に光っている奴が居た

『やあ、おひさしぶり!』なにかすごく快活で、優しさもある声の主は、赤ちゃんの歩行器を大きくしたみたいなサークルに乗って現れた

俺、こんな奴知ってたか?って思った直後、答えが分かった
あいつだ、俺を超人にしてくれたって言うか、した奴。未来から来たって言ってた、宇宙人じゃんか

『実は、最近ギャラクシールールの改定があってね。後進惑星でも、生命体改修時の説明責任が規定されちゃってね。あっ、ちなみに僕の会話は、君に一番分かり易いこの惑星の辺境地帯語に設定されてるから、なにか変だったらそう言ってね』なんて、馴れ馴れしい話し方だ!

『そうそう、いいよ君は話さなくっても、考えてることそのまま伝わってるし、僕の話も大気振動じゃなくて、君らの言葉でいうテレパシーみたいな伝達方法だから』へぇ〜そうなのか

『じゃ、手短に説明させて頂きます。まず、最初のコンタクトは、君の想定外の行動がきっかけだったこと。これ、わかってるよね。僕のコントロール下の時空滑走機は、99.98%の危険回避脳搭載型だったから、移動先での空間接触なんて起きるはずなかったんだけど…

あの時の君は、地表に存在していた静的生命体の分離物〜葉っぱかな、それを四足歩行の愛玩動物の廃棄物〜糞って言うのか、それと判断錯誤して、予想範囲外に急速移動したから接触したんだよね』そうだっけ

『そうそう、それで超高速振動状態のスリッパーに接触して、君を構成してる生命体が、ほぼほぼばらばらになっちゃってさ、僕とサブロイドで回収して、君の意識復元した後で、了解意志を確認後、生体再生&改良措置を施したんだよね。ここまでは合意?』よくわからんが、ぼやっと超人にしてもらうのOKした記憶が…

『で、君に施した改良措置について、今から説明するけど、君の方からなにか質問あるかな?あったら、そのこと考えてみてよ』質問、一番聞きたかった事かぁ、どうして空が飛べてるのか、とかかな

『おっ、そこ、そうだね、君らこの惑星生物は、大気の流動性の利用か、爆発現象の応用か、軽比重気体の使用くらいでしか、地表を離れることできないんだもんね』なんか、めちゃ上から目線な言い方だ

『気にするなよ、そりゃここみたいに中途半端な引力惑星の生命体なんだから、しょうがないって。
でね、宇宙はめちゃ広いから、もっとでかい惑星が一杯あって、そういうとこじゃ重力の調整ができないと、やってけない訳

そんな星で使ってる重力波調整装置を、大胸筋と腹筋の上と左右の大腿筋の前面に浮遊用を、足裏に推進用機器を埋め込んであげたの』はあ?

『そうそう、両掌にもサービスしといたわ。それで君は空を飛べてるんだよ、わかったよね。あの時点での最新機器なんで、軽くて薄いから気が付かなかったでしょ、埋め込まれてるの』そんなの体に埋め込んだのか

『う…ん、埋め込んだっていうより、貼り込んだ、が正しい惑星語かな。まあ、後は、ばらばらになってた構造体を、約束した超人仕様の骨格、関節、筋肉、腱の表面細胞に強化コーテイングして、体表皮にはソフトコーティングもしてあげた。それで超人らしく、高速金属の衝突も皮膚斬刃攻撃にも平気なの』そうなのか

『そうそう、君の遺伝子配送用部位は、本体が無事だったんで、そのまま再生しといたよ。大事なんだろ、この星の生命体には。さっき説明したソフトコーテイングもそこは施してないから、注意してね。一応、危険を感知したら、周りの表皮がカバーしてくれるけどね』そりゃご親切なことで

『あとは…、そう、脳も大部分破損してたから、最新補助脳細胞を付加しといたから、少しは前のより性能アップしてると思うよ。眼とか耳とかも影響出てるでしょ』透視とかできるの、それか

『う〜ん、もうなかったかな。後、生命維持器官の胃とか肺とか、肝臓とか、君らが内臓って言ってる器官は全部、超人体維持仕様に強化しといたし、毒物やこの星の微小生物の攻撃にも対抗力が半端なくあるよ』

『以上で、君への改良点の説明は終わるけど、これで納得してくれたんなら、強くOKとか、了解、とか脳内で念じてくれる?』もうなんか、聞いとくことなかったか

『いいよ、どうぞ。ああ、君の超人力は、遺伝しません。子孫は普通のこの惑星人です
そうだね、ものすごく大きな衝撃、君らも持ってる核分裂弾とか、超高電圧とかを何回も連続して受けると、コーティングが剥がれちゃうかな、ソフトコーティングだから限界があるんだよ』そう、なのか…

『では、OKの思念をよろしく。あっ、まだあるの?…そうなのね、一度だけだから、もうこっちには来ないんだよ。じゃあ、はい、頂きました。しっかり生きてね』それで、あいつは薄くなって、行っちまった

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なんか、ああそうなんだ、って話ばっかっだったけど、これまでなんとなく、もやっとしてたことが、これかっていう感じになった。多分、そのとき初めて俺は、ちゃんとした超人になれたんだ

興奮して寝れなかった夜が明けて、SITの訓練施設に出かける時間が来た、と言っても俺の場合、都内だったら何処でも至近距離なんで、たっぷり朝飯食ってから、江東区にある術科センターってとこに出かけた

空飛びながら、これって俺の胸と腹に貼ってある重力コントローラーで浮いて、足裏ので前に進んでるんだ、って思うとなんか変な気がした。ア○ムみたいに足から、ジェット噴射が出てるとかなら、わかりやすいのに

江東区のは、SATの専用施設なんで、今日はお客さんだから、あまり施設を壊さないで欲しいって、星崎さんが言ってたけど、SITの訓練施設だったら、立川市内にあるって言うのになぁ

約束の10時より少し早く着いちゃったのと、空から正門とか無視で訓練施設直行だったんで、そこに居たSATの人(教官?)に注意されちまった(SITから聞いてたとかで、逮捕、みたいじゃなかったけど)

訓練中の人たちは、皆ガタイが良くって、俺がチビだもんだからか、なんか上から目線でじろじろ見てる
だけど、俺だってもう何回か経験してるから、全然平気で、しれっと立ってるから、段々皆の雰囲気が悪くなってくのも分かる

「確かに空から降りてきましたが、ホントにスー○ーマンなんすか、こいつ」とうとう、言っちゃいけないこと言う奴が出て来た
「まあ待て、質問はSITの責任者が来てからだ」って言っときながら、隊長さんらしい人も不機嫌そうな顔

確かに、今日もTテレのコスチューム着て来てるんで、ふざけた奴だって思ってるんだろな
でも、この格好で来てくれって言ったのは、星崎さんなんだから、文句があるんならそっちに言ってくれ

俺がむっとした顔をしてるのは、幸か不幸かマスクで見えていなかったけど、その場の雰囲気はかなり悪くなってたと思うぞ
なんでこいつらに、悪く言われにゃならんのよって、へそが45度くらいに曲ったとき、妙にはっきりした声が聞こえた


「只今到着いたしました!刑事部SIT隊長の葛城です!」声の大きさに似合わない、ひょろっとした体形と、しゃくれ顎が特徴のSIT隊長さんが、仏頂面のSAT隊長さんに敬礼して挨拶した(葛城さんは俺も初対面だ)

タクティカル・ベストが少し短く、しかも身体とのすき間がありそうな葛城さんと、がっちりタイプのSAT隊長が互いに敬礼を交わすと、隊長の後に続いて入って来たSIT隊員も、きれいに横に並んで敬礼する

SITだSATだって言ったって、素人の俺にはほとんど同じに見えるが、ガタイくんに教えてもらったのによると、警視庁警備部警備第一課特殊部隊っていう長い名前がSATで、SITの方は警視庁刑事部捜査第一課の特殊犯捜査係なんだそうで、どっちも似たような装備をしている(都道府県で呼び方が変わる)

まあどっちだっていいんで、俺も一緒にぺこっと頭を下げた
その後、隊長同士と、あと何人かで打合せが続いてたんで、放っておかれた俺は退屈だったんで、他の隊員たちにちょっとサービスで、空を飛ぶとか建物の屋根に停まったり、大きく輪を描いて飛んで見せたりしてた

こっちにいる隊員たちは、俺と似たような年の奴が多いみたいで、素直に「おーっ!」って驚いてくれるんで、段々気分が良くなって、いろんな芸を見せてやりたくなったんだよな

そんなことしてるうちに、打合せが済んだ偉いさんたちが戻って、残されてた隊員たちも気合が入って、びしっとした雰囲気になった
俺だけ浮いてるんで「で、どうすればいいんすか?」って、楽な調子で訊いたら「今から言う!」だと

「それでは、特別対応係上辻曲とSIT第4班の合同訓練を行う。総員、配置に着け!」ときた
「状況を説明する。複数の粗暴犯が、交番警察官の銃器を奪い、当該信用金庫に押し込み、行員と客数名を人質にして立て籠もっている」

「上辻曲特体係が、建物屋上より内部に潜入、現場状況偵察の後、班長に報告、班長の命令を待って、人質の安全確保、立て籠もり犯の逮捕の補助を行うものとする。以上!」って、なんかめんどくさい役目だな。俺一人で全部やれるのになぁ…
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