2022年08月04日

ランボー超人Bの物語-14 正義なんだから暴れ放題B

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次の日は警視庁に当庁しなきゃいけない日だったんで、夕べのことなにか言われなきゃいいけどなぁ、って心配しながら出かけた
いつも通り、入口でチェックを受けて、なにもないときはSIT隊員が集まってる部屋に入ると、皆がざわっとしたのが分かった

あちゃー、って心の中で言っちまったけど、もち口からは出してない
自分の席に行くと、机に『1課長がお呼びです』とメモが貼ってあるじゃん(また、あちゃー、だ)

1課長の星崎さんには専用の部屋がある
恐る恐るドアをノックして「上辻曲です。入ります!」…この言い方にも慣れたナァ
「どうぞ」って、星崎さんの返事。声だけじゃあ、機嫌が良いのか悪いのか分からない人だけど、今日は分かる。悪い。って言うか、すごく悪い!

「昨夜は大活躍だったようですね」目線をデスクに落としたまま、トーンを上げないように抑えて喋ってる

「二つの現場に、君の指紋がべたべた有り、防犯カメラにも沢山録画されてました。重症者だけでも二十数人。死者がなかったのが不思議なくらいだと、鑑識の意見報告が出ています
建物内部の損壊も激烈で、渋谷で幅を利かせている半グレ集団同士の抗争としては、最大規模のものだった、と発表しておきましたが、マスコミの裏読みでは君の仕業じゃないのか、ともっぱらです」こんなに沢山喋る星崎さんは、見たことない

「上辻曲君、私は君の正義感と、スーパーパワーを活かす場として、SITの特別要員の席を用意した積りです。総監も私の意見具申をもっともとして、現在があるのです。法治国家としての日本では、ハリウッド映画のようにはいかないのが、現実です。君の今後について、これから関係部課長会議で検討しますので、結論が出るまで、自宅で謹慎するよう命じます。以上!」やっぱり、怒ってるよなぁ

席に戻ると、部屋に居る皆が、俺を見ないようにしているのが良く分かる。俺は「お騒がせしました。どうもすみません」って、形ばかりのお詫びをして、さっさと自分のマンションに帰った

いつものように、有楽町線と半蔵門線を乗り継いで渋谷に戻ったが、電車の中でもスマホを見ている乗客が、ちらちら俺を盗み見してる気がして、落ち着かなかった

やっぱり電車とか、普通人っぽくしてると、なんとなく世間の目とか、評判が気になってしまうもんだ
超人なら超人らしく空飛んでればいいんだけど、心のどっかで普通人の俺の時間が大切なんだって思ってる

マンションに戻って、テレビ点けて、午後のニュースショー観ると、どの局でも『渋谷の2大半グレ集団、深夜の大抗争!!』ばかりだ(もち、タイトルはちょっとずつ違ってるけど)

さすがにTテレの“午後だよGo!Go!”は、警視庁発表を、ほぼそのままなぞった無いようだったけど、他の局は、それだけでしょうか?とか、裏に隠れた真実は?みたいな番組構成になってる

俺は、チャンネルを次々変えながら、各局のニュースショーを見比べた
さすがに、俺がぶち壊した半グレのアジトの中の様子は、どっちも規制線が張られているんで、カメラは中に入れず、コメンテータが建物の外からリポートしている状態で、それを局に集められている“専門家”や“評論家”が、がやがや言ってるのが多かった

あっちこっちチャンネルを動かしてると、知った顔が出て来た
ジョーに逢ったとき、コンビニ前に群れてたうちのJK二人だ

「それで、その変なおじさんが、この辺の有名な半グレたち知ってる?って訊いて来たわけぇ」
「そうそう、あたし、ユーチューバーだと思っちゃってぇ、ほら、いるでしょ、格闘家のユーチューバー」

「そう思ったんですね。それで、あなたが教えてあげたの?」女のレポーターが質問する
「まっさかぁ、あたしたち知ってる訳ないじゃん」「それであいつが出て来たんだよね」「そうそう」

「それが、半グレの仲間?」「えーっ、どうかなー。あの人、そんなに危ないやつじゃないよねぇ」「そうそうパンピー」「でも、半グレの仲間の処に、おじさん行ったんでしょ?」「わっかんない」「そうそう、あたしらだって、やばいことになるのやだしぃ」「もう、ばっくれちゃったもんね、みんな」

その後、マイクはスタジオに回ったんで、ジョーのこととか、JKが言ってたおじさんが、事件に関わってるかどうか、わからないままになったけど、どっちにしても俺の正体は警察にはばれてる訳で、後はジヨーが自分から名乗り出たりしたら、ちょっと白を切り続けらんないだろーな、とかいろいろ考えちまった

テレビに出て、超人ランボーの中の人が俺だって、もう明かしちゃってる訳だし、誰かが俺だって気が付けば、あれやったのは俺だって分かることは、覚悟しとかないと、ってちょっとは落ち込んだけど、まあそうなりゃそうなったときだな、って立ち直りが早いのが俺のいいところじゃん
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2022年07月30日

ランボー超人Bの物語-14 正義なんだから暴れ放題A

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もちろん、全然終わっちゃいない
こっちの部屋のどったんばったんは、確実にドアの奥に聞こえてるはず、多分ピストルやら日本刀やらその他いろいろ、ぶっそうなもん持った、目つきの悪い連中が、わんさか集まってるに違いない

まあ、こっちはそんなのどうだっていいんだけどね
なんてったって不死身の超人ランボーさまなんだから、矢でも鉄砲でもどうぞどうぞ、ってやつなんだから!

「ジョー、お前は隅に隠れてな」とか言っといて、ぐいっとドア(革張りのキルティングの扉)を開けた
な〜んと、なんとなんと!奥の部屋は、ごつい奴らなんて全然居なくて、肌を思いっきし見せまくってる、超きれいなオネイサンたちで一杯!

部屋は全体がブラックの革張り調で、シャンデリアとかも天井から下がってて、めっちゃゴージャス!
奥にでかいデスクと社長用みたいな椅子があり、部屋の真中に、黒革張り&金の縁取りの矢鱈豪華なソファと、その前にはフルーツ盛り合せどーんの低いテーブル、両側にスツールがひとつずつの応接セット

部屋の左側はバーカウンターみたいになっていて、その中に(シックな大人の)別格美女が一人、反対側の壁際には肌見せオネイサンがずらり五人
で、あのイケメンすかし野郎が、ゆったりソファに座って、まあどうぞ、みたいな手つきで座るよう勧めてる

当然、この後、なにかが起きるんだろうが、一応、相手の誘いに乗ってやろうと思ったね、俺は
イケすか野郎がちょちょっと合図すると、まさかというか思った通りと言うか、オネイサンたちが、俺とイケすか野郎のソファ目指して、飲み物を手にすすっと寄って来た

「まあどうぞ、一暴れして喉も乾いたでしょう」…なんか、態度も服装もはまり過ぎで、むかつく
「飲み物なんて、どうでもいいんだ。さっきの話の続きをしようぜ」って凄んでも、両側から薄着の女がべたべたしてくるから、どうも調子が出ない

「いいじゃないですか、貴方はこれくらいのもてなしを受けるのにふさわしい方なんだから。ですよね、超人ランボーさん」なんだこいつ、俺の正体を知ってるじゃないか

「知ってたんなら話は早いな。お宅らも七星会も、似たか寄ったかのワルなんだろう。俺が正義のハンマーでぶっ潰すっていってんだよっ」なんて喋ってっても、しなだれかかってくる両脇の女がいちゃいちゃしてくるもんで、どうにも気合が入らない!

「いやいや僕ら、ちょっと裏社会の金儲けの仕組みを知ってる程度の、真面目な水商売屋さんなんですよ」
「ふん、悪い奴らが自分は悪い奴だなんて言うはずないからな」とは言ってみたものの、こうして向き合ってると、それほどワルに見えないんだよな…

「それはそうと、さすが超人ランボーさんですねえ。前室の連中は、あれで結構役に立つ奴らだったんですけど、あっという間に片付けちゃいましたねえ」…俺はこいつの喋り方が嫌いなんだって思った

「そりゃどうも!まあそんなことはいいから、まだ兵隊さん居るんだったら、さっさと呼んでくれよ」
「おやおや、女の子はお嫌いなんですか、ランボーさん」まだ余裕見せてやがる

「嫌いな訳ないじゃん。怪我させちゃ、悪いから、どっかに避難させてくれよ」…って言ってるんだよ!って言おうとした俺の口に、フォークが刺さったマンゴーが押し付けられてきた

「ほーら、お前らのおもてなしがお気に召さないって、仰ってるじゃないか」その言葉に、両脇のオネイサンがびくっとしたのが分かった。やっぱ、こいついつは怖い奴なんだ

「もういいや。じゃあ、怪我したくない人は、部屋の隅っこに引っこんどいてな」もう、一気に決着しちゃおうって思った俺は、肩に手を廻してくるオネイサンに構わず、ずいっ、と立ちあがった

「あらあらあら、まだ暴れちゃう時間ではありませんわよ」ちょっと鼻にかかったセクシー(ってこういうのだよな)な声とともに、大人美女が、きれいな青いカクテルの入ったグラスを持って登場だ

「ママ、ちょっとむずいお客さんだけど、よろしく頼みますよ。ランボーさん、ここのママさんです、ご紹介します、エマさんでーす」どうしても、芝居がかった言い方になるんだなこいつは!

このママさんのエマさん、俺の右側のオネイサンをスツールに移すと、そのままふわっと横に座って来る
高価そうな薄手のロングドレスの裾に、深いスリットが入ってるもんだから、すらっときれいな白い生脚が、目に飛び込んでくる

それが、俺の横に座ろうとしながら、俺に体重預けてくるもんだから、ついつい一緒にまたソファに腰を下ろしちまった(背も、俺と同じくらいなんで、もたれかかり易かっただろうな…)

「貴方って、すごいのよねぇ。テレビで拝見したわ。力もすごいし、鉄砲持ったギャングなんて、ひょいひょいって片付けちゃったんでしょ。あたし、憧れちゃったぁ」うーん、こういうの全然慣れてないから、俺、どしたらいいか、困ってるですよ

その様子を見てるイケすか野郎が、軽〜く笑ったような気がした、って言うか、見た
そんなこんなで、ここに来てから大分時間が経ってる。あっちの七星会ぶっ潰しから、30〜40分経ってるはず(俺としては、七星会とジャガーズがやり合って共倒れ、ってシナリオにしたいんだよ)

もう、こうしちゃいられないって思ったんで、残念だけど大人な時間は終わりにして、一気にイケすか野郎をぶん殴っちまえば、話が進むんだろうって、大人の彼女は横にどけて、俺は身体を宙に浮かせると「もういいや、俺、始めちゃうわ!」って天井近くから怒鳴ってやった

そうなると、イケすか野郎も本性出して、さっとソファから立ち上がって、奥のデスクの方に走る
なんか出すのか、と思ってると、机のインターフォンに「出て来い!」って怒鳴ると、デスクの引き出しからシルバーの拳銃を掴み出す

すぐにどーんって、俺が入って来たドアと、バーカウンターの向かい側のドアが開いて、どやどや!っと野郎どもが飛び込んで来た(俺としてはやっと出たか、だけどね)
ところで、ジョーはどこだろ、って部屋中見渡すと、大慌てで部屋から逃げようとしてるオネイサンと、大人美人と一緒に、この部屋から逃げ出してる(要領いい奴!)

それから、イケすか野郎が拳銃ぶっ放すは、日本刀やゴルフのアイアン振り回して来る奴とか、ヌンチャクやトンファーも居たし、チェーンとか金属バットとか、爆弾と機関銃以外、なんでもありだったけど、なにしろ俺、超人だからそんなの全然効き目ないから

とにかく誰でも構わず、身体のどっか掴んでは放り投げ、してるうちに倒れて唸ってない奴(イケすか野郎も中にいた)は、ゼロになったんで、俺は部屋を出て、同じくめちゃめちゃになった前室を通って、店の外に出た

「終わったんすか?」ってジョーが声をかけて来た
「ああ」とだけ言って、俺はさっと夜空に飛び上がった。ジョーは、自分でどうにかするだろう
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2022年07月24日

ランボー超人Bの物語-14 正義なんだから暴れ放題@

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男の俺から見ても相当なイケメン野郎で、喋ってる最中に見せる微笑みの感じの良さったらない。けど、それより回数が多い冷たい目つきは、こいつが危ない奴だって、でかい字のタトゥーが彫ってあるみたいだ
一般人だった頃の俺だったら、10秒も同じ場所の空気を吸えなかっただろう

が、まあとにかく、今の俺は超人なんで、こんな奴どってことないんだが、俺の返事ひとつで、こいつの家来共がひどい目に遭わされるのを見たくない、って気がするんで、言葉にゃ気を付けんといかんぞ
「で、あんた、七星会の幹部連中、ぶっ潰してくれたんだってぇ、やるねえ、見かけによらず」結構、口の利き方ひでぇな、こいつ

どうも実力者になってから日が浅いんで、こういうときに気が利いた受け答えが出来んなぁ
「褒めてくれんでいいよ。あんたらジャガーズだって、ぶっ潰そっかって思ってるんだからよ」せいぜい突っ張って喋ったるわ。あっ、いかんかったかなぁ、家来たち叱られちまうわ、これじゃあ

「ふーん」って言ったきり、イケメン野郎は黙っちまった。ジョーが、そろそろこの場から逃げようとしてるのがわかる
「おぉっと、悪い悪い、立ち話なんてしちまって。まあ、奥に来てくれや」

「ジョー、お前が連れて来てくれたお客なんだから、お前も一緒に奥に来いよ」俺とジョーに話すと、くるっと向きを変えて、ドアの奥に入ってく
どうするって目で、ジョーに訊くと、ジョーが目つきで周りを見ろって言ってるんで、さりげなく見回すと、でかくてヤバそうなのが五人、居る

イケメン野郎はどこかに行ってしまって、俺が奥の部屋に入ろうとしたら、でかいのが後ろから俺の肩を押えて「おい、どこへ行くんだ!」低音のやけに響く声で吠えた
俺は黙ってその手を掴むと割と本気で、俺の頭越しにイケメンが消えたドアに向かって、放り投げた

どっだーんんん!!って、どでかい音でドアにぶつかって跳ね返って落ちた(運が良かったのは、ドアが厚手のキルティング加工で、柔らかめだったことかな)
「このやろっ!」って次の奴のパンチが、俺の頭にばちこん!って落ちてきた…けど、そいつは手を押えて、うずくまっちまった

周りのでかい連中の空気が変わった(それまでの、こんなちびが!、って気分が吹っ飛んじまったみたいだ)
それで、連中は腰を落として、手にした金属棒をシャッって振って、そこそこの長さの特殊警棒に変えると、無言で俺に向かって振り回して来た

「ジョー、ちょっとムチャクチャ暴れるんで、離れときなっ」一応、ジョーが巻き込まれんように気を遣ってひと言言っといて、身体に当って来た警棒を引っ掴んで、持ってる奴ごと、大きく振り回した
ごきっ、と嫌な音をさせて、肩が外れたままふっ飛んでった奴は、同じように警棒を構えている奴をかすめ、壁に当って落ちて動かなくなった

それを見た他の連中は、見て分かるくらいに怖気づいちゃって、俺に向かって来なくなって、遠巻きにしてる
これじゃ、時間が掛かってしょうがないじゃんって思って、俺の方からやっつけにいくことにした

とりあえず、前の奴に行くようにフェイント掛けといて、右側の顎の先だけ髭生やしてる、筋肉自慢に飛びかかって、胴体を両手で抱えて、上にぽんっと放り上げた
そいつは、天井の石膏ボードをぶち抜いて、そのままそこに刺さってる

そいつが、最後に重さで落ちて来るか、なんてことはどうでもいいんで、俺はすぐその右横に離れて身構えてる奴に、跳び膝蹴りみたいな恰好でぶつかっていった(再現アクションで親しくなった窪野さんに教えてもらった技だ)

なにしろぶつかってくスピードが尋常じゃないんで、そいつも警棒を構える間もなく、どっかーんって後ろにすっ飛んで、壁にぶつかって倒れた
それが合図になったみたいに、残りの三人がメチャクチャに警棒振り回しながら、俺を袋叩きにしに来た

折角なんで、って言うか、警棒で打たれても、どってことないのが分かったんで、ちょっとの間、叩かせっ放しにしておいた。叩き疲れた奴が順番に手を止めて、俺のことぎょっとした顔で眺めてる
そいつらも、なんにもなく終わったら、きっとあの嫌味ったらしいイケメン野郎から、叱られるんじゃないかって思ったんで、一人ずつ両手を揃えて、どーん、って突き飛ばしてやった

皆、だるま落としみたいに、そのままぽーんって後ろにすっ飛んで、この部屋でのアクションシーンはカットになった
部屋の隅で、身を縮めていたジョーが「終わったんっすね、兄貴」みたいな、定番のセリフを吐いた
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2022年07月18日

ランボー超人Bの物語-13 本気で正義の味方やってみるF

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今まで、兄貴、なんて呼ばれたことなかったけど、結構いいもんだ
「お前に兄貴なんて呼ばれる筋合いはないぞ」って返してみたけど、どうもチンピラドラマになっちまう
だけど、あれだね。なんか男の絆、って言うか、心が暖かくなるもんだよ、これって

それで兄貴って呼んでるのが“ジョー”じゃ、どっちかって言うと漫画。しかも部隊は非常階段ってきてる
「お前、七星会のメンバーなのか?」「さっきまでは、そうっす。だけど今は、兄貴の舎弟っす」なに言ってんだか、こいつ…ってこそばゆいぞっ

「兄貴は、あれっしょ、超人ランボーさんなんでしょ?」うっ、こいつ俺の正体知ってる!
「なんで、そう思うんだよ」一応しらを切ってみる
「だって、テレビに出てたじゃないっすか。俺、人の顔覚えるの得意なんすよ」って、得意そうな顔

「そ、そうか、まあ知ってるんならそれでいいや。だけど、他の奴に言うなよ」
「分かってますって。正義の味方だから、普段は普通の人間してないとまずいんでしょ」…う、ん、それはまあそうかな

大体、このジョーって名乗ってる金髪野郎は、最初、ジャガーズってグループんとこに、俺を連れてくって言ってなかったっけ。それが、行ってみれば七星会の連中が集まってるとこだったし、なんかおかしいな

「おい、お前、最初はジャガーズんとこに、俺を連れてくって言ってなかったか?」
「ああ、そう言いましたよ。まあ、仲間に紹介する前に、ちょこっと腕試し見せてもらったってとこですかね」全然悪いと思ってねえな、こいつ

「じゃあ、七星会はジャガーズの敵方だったって訳なのか」「そうっすよ。でも、お蔭で、手土産持ってジャガーズんとこに行けるじゃないっすか」なんて調子がいい奴なんだ、こいつは!

冗談じゃない、って思ったが、まあワルをやっつけるんなら、こいつに案内してもらっといて、そこもぶっ潰しちまえばいいか
「じゃあ、そのジャガーズんとこに案内しろよ」こうなったら、上から口調で、こいつに案内させてやるぞ

「いいっすよ。もうOKもらってるんで、案内させてもらいます」そう言うと、どんどん非常階段を下りていく
こうなると、こいつは信じられない奴だけど、次のステップに行きたいんなら、こいつに案内してもらうのが一番早いって思ったから、俺も黙って後を付いて行くだけだ

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ところで、猛烈に腹が減っていることに気が付いた
前を歩いて行くジョーに「おい、この時間でも開いてて、安くて旨いもん食わせる店、知ってないか?」って、声をかけた

「えーっ、ケッコー条件、多いじゃないっすか。うん、だけど俺、知ってる店あるっすよ」おー、いい返事だ
「今から、そこに連れてけ」「えーっ、今からって、今っすか。だけど、ジャガーズの本部にはこれから兄貴を連れてくって、連絡入れてるんすけど…まあいいか、店、ラーメン屋っすけど、近いからちょっと寄ってきましょーか」なかなか役に立ちそうだな、ジョー

ラーメン屋は、ラーメンだけじゃなくって、餃子も天津飯も炒飯も出来る店だったんで、全部注文してやった
とにかく、超人技使うと、その後、無茶苦茶腹が減るんだよな
ジョーがびっくりしてる間に、ラーメンと炒飯のお替りまでしたんで、やっと腹の具合が良くなった

お勘定、ってなって、ジョーが金持ってないことが分かって、慌てた
なにしろ家でまったりしていて、そのまんま飛び出したもんだから、俺だって持ってない…ってなったんだけど、前に駒ちゃんが急にお金が要ることってあるから、1万円札の折りたたんだの、普段使わないポケットに入れとくと助かるよ、って言ってたの思い出した

めっちゃ折れ筋の入った万札を取り出して、お勘定するとお釣りが5200円もあった(確かに安い旨い店だ!)
付き合いでラーメンだけ食ったジョーも、ほっとしてたが、スマホが鳴ってジャガーズから「遅せぇじゃねーか!」って怒鳴られたときは、ホント青くなって「ちょっと現場片付けるの時間かかっちまいまして…」とか、言い訳して、俺に「ちょっとかりかりしてるみたいなんで、もう行けますかねぇ」って泣き言

それからはずんずん早足で歩いて(ジョーが追いつかないんでおぶってやった)、ジャガーズの本部があるっていう、『Longest Night』ってネオンが点ってる、怪しげな店に着いた
どうもここで、違法バカラとか若い女の子が一緒するショーパブみたいな営業をしてるらしい

ジョーは顔見知りらしく、入口に立ってるごつい黒服に「よっ」って挨拶して、どんどん中に入って行く
俺が続いて入ろうとすると、ごつい門番が俺の前に立ち塞がる
当然、顔見知りのジョーの連れだってことは分かってるはずなのに、これはただの嫌がらせだ

俺は黙ってそのごつい門番を、左手で除けてやった
門番は想像してなかったもの凄い力で、横に払われたんでバランスを失って、思いっ切りひっ転んじまった

そうなると、門番としてのプライドがあるもんだから、起き上がるとムキになって俺に掴みかかって来る
俺としてはこんな奴、まともに相手にするのもどーかなって思ったけど、あしらえるかどうかも試験みたいなもんかな、気が付いたから、身長185くらいの門番の肘を、左手で掴んでぐいっと持ち上げてやった

「もう、そんなところで許してやってくれよ」とか、妙にキザったらしい声がかかったんで、そっちを見ると、濃紺のベストと濃紺の細身のズボンの、すかした野郎が奥から出て来て、俺に話しかけてきた
ジョーは、その隣で固くなってる(は〜ん、こいつがボスか兄貴分ってとこか)
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2022年07月13日

ランボー超人Bの物語-13 本気で正義の味方やってみるE

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「ちょっ、ちょい待てや」多分、ボスが吹っ飛んじまったんで、やる気もなにも一緒に吹っ飛んじまったんだろ、黒い革製の上着に、黒いシャツ、黒い革製のズボン穿いたお洒落な背高男が、前に手を出して抑えるような身振りをした。まあカッコ良い奴なんだけど、声が、かすれてるんで、弱っちくも見える

「おまえ…あんた、なにが目的なんや。このシマが欲しいんか?」なんか、関西、入ってる?
「なんで、それ先に訊いてくれんかったの」って、折角なんで相手のノリに合せてやることにしたった
「そーかあんた、どっかの組織の特攻隊なんやな」話がどんどん変な方に転がってく

「まあ、どーでもいいじゃん。とにかく、あんたらもう降参するんなら、許してやるから…えっと、あんたらの組の名前は、なんだっけ」そうそう、それ聞いとかないと
「七星会だ。名前も知らんでかちこんだんか」もう一人の、ベスト2か3の赤いシャツに白い上着を着たキザな野郎(体格は良くって、むきむきなのを見せたいのかシャツのボタンを3つ外してる)

なんとなく会話が続いてるが、壁際野郎のブラックジャックがぴくぴくし始めたし、黒革野郎もゆっくり手を下に伸ばそうとしてるのは、俺さまご存知の上だぜ
赤シャツマッチョの方は、俺の注意を引きたいのか、まっすぐこっちを見て喋ってる

「しかし、あんた本当に強いな。それだけ強いんなら、あんたの組じゃあ、幹部クラスだろ」とうとう、おだて始めたよ…ってことは、そろそろ来るかな
予期してた通り、和気あいあい的なムードは一瞬にして吹っ飛び、黒革野郎が床に落ちてた拳銃を拾うと同時に、ブラックジャックがぶーんと俺の頭めがけて打ち下ろされ、赤シャツが横っ飛びに跳んで、俺の視界から消える、みたいな連携プレイ。お見事!

だけど俺、普通人じゃないから、そのあたりはゆっくり見えるし、もっともっと素早く動けるんだよね
ブラックジャックは俺がいないとこに飛んだし、黒革野郎は拳銃を掴んで、構えようとしてるとこに俺が一気に近寄って、手首掴んだからあせって引金引いちまった。ダァーンって発射された弾が、ブラックジャック君の足元に当ったんで、うわぁーって叫ぶと、けんけんしながら逃げ出した

赤シャツは、って思って見回すと、まだ拳銃があったようで、今度はしっかり両手で構えてこっちを狙ってる
「残念だったなぁ。これでお前は終わりだっ」喋り終わると同時に、弾は発射され、さすがの俺も動く間無し

ぱん!って当ったが、残念、俺はこれで終わりじゃなかった
ブラックジャック君が放り出してったブラックジャックを掴んで、ぶんって投げてやった
弾が当たったのに平気な俺を見て、驚いちまってた赤シャツはブラックジャックと一緒に後ろにひっくり返って…終わった

これで全員終了だなって思ったけど、念のため部屋の中を丁寧に見回す
俺が部屋に入ってすぐかかってきた壁際連中は、そろそろ回復して動き始めてる。特に最初にバットを振ってきた後、蹴って来た奴とカーリーヘアの二人は、ソファんとこに放り込んだんでダメージが少なかったようだ

そいつらがこっちを睨んでるんで「やるのかっ」って、脅かしたら「いやーやりません!」って声が揃った
「よし、そんじゃあ、お前ら七星会って言ったっけ。お前らは、今日で解散!この後、まだなんか悪さしてるの分かったら、今度は皆殺しだかんな!」ちょっとオーバーだけど、これくらい言っとかないとな

後は、ほっといて部屋を出ると、非常階段の処にさっきのジョーが立ってて「終わったんすか、兄貴」って、安手のチンピラドラマみたいな台詞で締めてくれた
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2022年07月09日

ランボー超人Bの物語-13 本気で正義の味方やってみるD

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ソファは真中に正三角の形に、ちょっと高そうなのが3つ、その外側に囲むように4つ置いてあるんで、漫画なら内側がベスト3で、外側に4〜7位がいることになる
グループ名は“北斗の拳”なんてったら、面白いな

例のざりざり声(外側一番左端)の奴が、刃渡り15pくらいのナイフをひらひらさせながら
「おめぇ、どこの鉄砲玉だぁ。格闘技やってるようだが、ウチぁなんでもありなんで、怪我だけじゃぁ済まんで、死んでもらうことになるからなぁ…」って、喋り終わる前に、ぱっと俺の前に飛び出してきて、ナイフで俺の目を払ってきた

が、一般人からすりゃあ、素早い動きだったんだけど、あいにく超人が相手なんで、そこに俺は立ってない
そこに居る、と思ってナイフを振ったら、そこにはいないってなると、やっぱきょろきょろ見ちゃうよね

俺はって言うと、一瞬身を屈めて思いっ切りジャンプ、天井の手前でくるっと回転すると天井蹴って、ナイフ男にアタック!そいつは、ぐしゃっって感じでそこにぶっ倒れた

しまった、大丈夫かな、なんて考えてると、お次がすぐやってきた
ひゅっって、警棒が振り下ろされて来る音に反応して、ナイフ男の身体から瞬速で身を起こして、横に転がったけど、肩に警棒がヒットした感じはあった

横に転がったのは正解で、続けざまにブラックジャックの一撃が、俺が居た辺りにかまされて、倒れてたナイフ男に当って、可哀相にそいつは二度目の「ぐえっ!」ってなった

横に転がりながら、周りを見たんだけど、俺を殺ろうとしてるのは四人。一人は床に倒れてるから、ブラックジャックと振り出し警棒と、後一人は手ぶら…いやメリケンサックしてる奴。ボスキャラ三人は余裕かましてまだソファにふんぞり返ってる

俺がさっと立ち上がると、三人がびくっとして身構える
特に警棒の奴は、当てた感覚はあるのに、俺が平気な顔で立ってるもんだから、少しびびりが入ってる

「この野郎、結構やるから気を付けろよ!」警棒が仲間に警戒警報を出したが、他の仲間は、ボスキャラを含めてまだ余裕かまそうとしてる
次の瞬間、俺はびびりの警棒野郎の懐に飛び込むと、警棒を持ってる方の手を肘の処を掴んで、ぐいっと捻り上げてやった

本当は、捻り上げて片手で持ち上げてやろうと思ったんだけど、案外反射神経の良い奴で、捻り上げようとした俺の手の動きに逆らわずに、くるっと回転しながら、残り足で俺の顎の辺りに蹴りをかましてきた

多分、それがヒットしたってなんともなかったんだろうけど、俺も反射的にその脚を引っ掴んで、横に吹っ飛ばしてやった(プロレスだったらこの連続技に大拍手だろーな)

こいつらが武闘派だっていうことは分かってたけど、このチームワークはすごいな、ってちょっと感心しちまった。が、相手が悪かったよな、チョージンの俺だから、折角の連携プレイも結局通用しなくて。
ブラックジャック野郎はちょっとびびってか、様子を窺ってる

と、今までクールに様子を見てたメリケンサックが、ちゃんとボクサー風にステップ踏んで、左ジャブをしゅっしゅっと繰り出しながら、俺に迫って来た
だけど、こういうのは割と楽に対応できる。リズムがあるんで、動きの先が分かり易い

しゅっしゅっ、って来るパンチを、いちいち右手で払って相手してやると、いきなり右ストレートがかなりのスピードで俺の顔を狙って伸びて来る。と、思うと左フックが俺の腹に飛んで来る(ワンツーだね)

もうめんどうになったんで、ぐっと踏み込んで、こっちも右ストレートを放つと、スピードが断然違うから、メリケンサックは後ろにスウェイバックする間もなく、ブロックしてた左肩に俺のパンチをまともに食らって、大きく後ろに吹っ飛んで、ソファに座ってたベスト3の頭の上を越えて、壁にどーん!ってぶつかって、動かなくなっちまった

それにびっくりした三人ボスが、慌てて立ち上がると真中の奴が、尻ポケットから黒光りする拳銃を素早く取出し、両手で構えて「もういい!お前、暴れ過ぎやっ。死ねやっ」って、決めゼリフを吐こうとした

けど、けどだ。超人の俺に、そんなのんびり喋ってから、撃とうとしたんじゃ当てられっこない
両手で構えようとするのを見た瞬間、俺は転がってるソファを引っ掴むと、「暴れ過ぎやっ」から、次の「死ね」辺りのところまで喋ってる最中に、どストライクでソファをぶちかましたった

ソファって言ったって、結構重くてしっかりしたやつだったから、どっかーんって感じでソファと一緒に、後ろに吹き飛んじまう(柔らかいソファだったんで音はそれほどじゃない)

両脇のソファに座ってた二人と、まだ残ってた4〜7番どれかのブラックジャック野郎は、“唖然と”の見本みたいな顔で、その場に突っ立ったまま動けなくなっちまった
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