2023年01月07日

ランボー超人Bの物語-17 ヒーローは孤独ってかD

なんでこの人は、こんなに偉そうにしてるんだろーって俺が思ってるのを、部屋に居る誰もが分かってないのが可笑しくって、ちょっと笑っちゃった
「いやぁ、わしも若い人にそこそこ人気あると思っとったんだが、そうかそうか知らんかったか。民自党の漫画好きオヤジの黒沢太郎です。どうぞ、顔、覚えちゃってくれんね」笑顔になると意外に人が好さそうに見えるけど、まあ、政治家だもん、あてにはならんだろな

「すみません、政治家さんが出るような番組、あんまり見てないんで…」ということにしといた
「そりゃそうだな、君らの歳なら知らんでも不思議じゃないわな。はっはっは」って、取って付けたように笑ってごまかしてる
「で、俺になんの用なん?」なんか気に入らんので、わざとぶっきら棒に言ってやる
「おい、君、失礼だぞ、そんなもの言いは!」茶色スーツが、我慢できんって感じで言って来た
「いい、いい。なんせ、こちらは超人さんなんだから」やっぱり、大物ぶってるよこの人

「いやなに、今度、政府の方針で、君の日本国籍をはく奪しようっちゅう意見が出てなあ。聞いとるだろ?」
「へぇーそうなの。そうなると、俺って日本に居らんくなるの」そんなことないだろうって思いながら訊く
「う〜ん、それはないだろう。だが、君があまり無茶続けたら、あるのかも知れんぞ。まあ、そんなことより、これまでの君のやってきたことを見れば、大体は大丈夫だろう。ただな、君が暴れると、必ず損害賠償の対象になるような被害が出る。これまでは、警察庁が君を手駒にしたくて、庇っていたようだが、今回の退職でそれも無くなる。そこで、君のやるあれやこれやを、引き受ける省庁が出て来なかったら、いくら正義だとかなんだとか言っても、君に降りかかって来る訴訟や罰則の対処ができん」うわっめんどくさい話し!

「じゃ、俺に正義の味方はやれないってことですか。か、うんと考えてやるしかないとか」
「それじゃあ、いざってときに動けんだろ。そこでだ、君を超法規の存在にして、自由に正義を執行できるようにするという案が出て来たんだよ」その自信たっぷりの顔を見ると、あの大手組の親分そっくりだった
「その案は誰が出したんですか」訊いといて、なんか答えが分かった気がしたんだけど、やっぱり「わしだよ」って、得意そうな顔になった
「じゃあ、俺は自由に正義の味方やっていいんですね?」一応、そう言うしかないじゃん
「そう、わしと、この浪岡官房副長官が、バックアップするから、思う存分やってくれ」茶色スーツが片手を軽く上げて、俺が官房副長官だよっていうように、頷いた

「じゃあ、なんとか法違反とか、空飛ぶときの高度とかなんとか、いちいち言われないってことですね」
「おお、その辺りは超法規だ。ただし、君に言っとくが、大衆に嫌われるようなことはなるべくやるなよ。後で、説明がつくようなことなら問題ないが、その場に居合わせた人には嫌われんように。まあ、ネット民にはあれこれ言われても、ほっとけばいいんだが、それから、人は殺しちゃあいかん。悪人でもだ。事故や事件に関わって、たまたま死者が出た場合は仕方ないが、とにかく人が死ぬ事態だけは避けるんだぞ」
言ってることは分かったんで、俺はちゃんと約束して、それから京美人が持って来たお茶と和菓子を飲み食いして、俺はお屋敷を後にした(どうせ裏があるんだろうけど、自由に動けるってのは大歓迎ってことで)
posted by 熟年超人K at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 書き足しお気楽SF小説
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