2022年12月11日

ランボー超人Bの物語-16 大体ヒーローじゃんB

雄仁塚建設に顔を出すって言っても、本当にただ顔を出して、合田社長が居たら挨拶して、居なけりゃ建築工事課の滑川さんと、少しお喋りして帰るくらいのことで、俺的には只今失業中みたいな感じだったけど、まあいいかってなもんで、真面目に働いてた頃の貯金で飯食ってた
それと、やっぱ駒ちゃんの存在が大きかったかな。だから、別に慌てて仕事探しなんかしてなかった

そんなふわふわの幸せ時間が消えるのも、あっと言う間だったな
3月最後の火曜日、俺がマンションで昼飯用のウインナーをフライパンで焼いてると、ドアのチャイムが鳴った
俺の住んでるマンションは、館内に入る為のオートロックなんてものが無い(だからこの辺りにしちゃあ安い)
だもんで、来客とか不審者とかは直接玄関ドアのチャイムを鳴らすのだ
何が来たって怖くないってのは、いいときもあるが良くないときもあって、その日のチャイムは良くない方だった

で、その時の俺は、フライパンの中のウインナソーセージを菜箸で掻き回しながら、ドアを透視して、宅配便でもなければ、もちらん駒ちゃんでもない、ダークスーツの三人組が、全く見知らぬ奴だったんで、もしや丸暴か半グレが仕返しに来たんかな、ってのんびり構えて、ちゃんとフライパンの火を止めてから、ドアんとこに行き、どっちみち何が来ようとやっつけられる自信があるから、俺は平気でドアを開けてやった

ドアの向こうで突っ立ってる三人の真中のが「上辻曲勇太郎さんですね」ときた
「ええ、そうですけど」って返すと「お話があるので、お部屋に入れて頂けませんか」って、馬鹿丁寧に訊いてくる
「なんかの勧誘っすか?」一応とぼけて訊いてみたけど「いいえ」って言うだけで、名乗らない、名刺も出さない。こりゃ警察関係とかかな、って思ったけど、普通の警察関係者なら、ちょっと前まで警視庁に通勤してた俺に、もうちょっと仲間意識って言うか、なんとなく親しみ示すだろ
ってことは、違うんだ、って思った(俺もなかなか頭が回るようになったな)

「どちらさんか、教えてもらえないんなら、部屋に入ってもらう訳にはいかないんだけど」って、軽く喧嘩売ってみた(俺、ちょっと自信過剰かな)
posted by 熟年超人K at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 書き足しお気楽SF小説
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