2022年11月30日

ランボー超人Bの物語-16 大体ヒーローじゃん@

やっぱりテレビの力は大きいって思ったな。初対面だったのに、なんとなく猪退治はOKみたいな感じ
「ありがとうございました」と頭を下げて、荘田君のところに戻ろうとしたら、吉岡課長さんが「それで、今回はランボーさんお一人で、猪退治をしてくれはるんですよね」って、なんか変な言い方してきた
「はあ、俺一人でやっつけるつもりですけど…」「銃とか罠とかも、使わはりまへんのですよね」
「そうですけど、なにかあるんですか?」「いやいや、ランボーさんの超人パワーでやってもらえるんなら、なんの問題もあらしまへん。どうぞ、お気張りやす」だって
「それって、俺が超人なんで、法律とか条例とか、気にせんでもいいってことですよね」「おっしゃる通り」
やっぱ、そういうことなんだ。でもまあいいや、だから俺が超人なのが役に立つんだからって納得

トイレの出入口の近くで待ってた荘田君に、両手で丸ポーズしたら、随分嬉しそうな顔になった
そりゃそうだろう、神戸まで来て、なんにもならんじゃ、局に戻るの気が重いもんな
「実は、市民の方に訊いてみたんですけど、新神戸駅の北側なら、割と出るんじゃないかって話なんっすよ」元気が出て生きた荘田君の情報だ
「そうか、じゃ行こうか」俺としてはノリノリって言うより、超人ランボーの姿に集まり出した人の目から、早く離れたかっただけだけど、荘田君はぐっとやる気が増した感じだ

人目ってぇのは、一度集まり始めると、遠慮がなくなるみたいで、本当に大勢の人が市役所から出発する俺らを見に集まって来たんで、地上走行じゃ危ないことも起きそうって判断で、また荘田君のバイクごと、空中に舞い上がった(わぁーって歓声が上がったんでいい気分)
荘田君が新神戸駅の絵を録りたいって言うんで、高さ1000mくらいからゆっくり降下して、駅北の人気のない処に着陸した
今度は、荘田君はバイク、俺は空中から猪を探すことにして、取材の開始だ

上から見るとじきに、猪が三匹道路わきにいるのが分かった
スマホで荘田君に連絡しといて、俺は猪のそぐ傍にそっと降り立った
突然空から降って来た俺は、猪を混乱させたみたいで、一番大きい奴が鼻をふごふご動かして、なにが現れたんだと探ってるようだ
俺一人でやるんなら、すぐ突撃だったんだけど、荘田君がカメラ持って来なきゃあ意味ないから、こっちもじっとしてる
そのうち、バイクの音が聴こえてきたんで(どうやら猪より、俺の方が耳が良いらしい)、早く、って思ってると、猪も音を聴き付けたみたいで、一瞬ぴたっと止った直後、ばっと走り出した

逃げられちゃあ困るんで、俺も瞬速で猪の動いた先に飛び出す
さすがの猪も、超人の俺には敵わず、どんっと俺にぶつかって止まった
こっちにも結構衝撃があったけど、別に問題なほどじゃなかったんで、ぐっと踏み止まって、猪の出方を待った(こうしてれば荘田君が間に合うかもって思ったんだ)
ところが相手は野生動物、そんなことお構いなしに一気に次が来た。なんと俺の膝んとこに、噛みついてきた
がぶっ、って来たけど、俺は超人なんで、左の膝んとこに噛みつかれたけど、少し圧迫感があっただけで、歯が滑った感触があった

その瞬間、俺は素早く右足でキックし返した。猪はふっ飛んで道路わきの木にぶつかって落ちた。と思ったら、すぐに起き上がって、逃げ出しかかる
俺も頭に来てたんで、ばっと空中に跳んで猪の鼻さきに蹴り入れたろうってんだけど、思ったより猪が速くって背中を蹴った
これまでの数少ない人間との闘いでは、大体、最初のキックで木にぶつかった段階でKOだし、お次の背中へのキックが決まれば、絶対動けなくなるはずなんだけど、すぐにまた逃げ出す(なんてタフなんだ!)

俺の頭ん中にユーチューブで見た、ライオンがイボイノシシを倒す場面が浮かんだ
あいつら、猪でも水牛でも、一度ひっくり返しちゃったとこで勝負ありだった
でも、決め技は首筋にがぶりで窒息させるみたいだから、口の小さな俺には無理
ってことで、逃げかけた猪の後脚の足首を引っ掴んで、ぶわっと持ち上げてやった
それで、足首を持ったまま、ぶんぶん3〜4回振り回して、地面に叩き付けたら、さすがに動かなくなった
「すごい!すごいっすねぇ!!」いつのまにか、近くに来ていた荘田君が歓声を上げた
「ばっちり録れましたよっ」「えーっ、いつから録ってたの?」って訊くと「キックで吹っ飛ばしたところからっすよ!」って、興奮して吠えた
posted by 熟年超人K at 16:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 書き足しお気楽SF小説
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