2022年11月18日

ランボー超人Bの物語-15 こりゃヒーロー誕生か?!E

駒ちゃんとの、めくるめく夜を過ごした翌朝は、なんだかもう天下無敵な気分が体の奥から噴き出して、元気スプリングが弾けちゃって、パンツいっちょで俺はベッドから跳ね起きた
それを見た駒ちゃんが、朝日の入ってるダイニングテーブルんとこで吹き出した

照れた俺が、スウェットの上下を慌てて着て、ダイニングに行くとベーコンエッグとかもう出来てて、駒ちゃんはトースターんとこでパンが焼けるの待ってる
「ねぇ、寒くないの、その格好で」って、訊いて来たんで「俺、超人だからぜ〜んぜん寒くないよ」って答えた
だって季節は春とは言え3月だったから、駒ちゃんが心配するのも無理ないんだけど、超人になってから暑い寒いは、ほとんど感じてなかったんだ
それでも、駒ちゃんが点けてくれたガスストーブも、ホットコーヒーの温かさも、嬉しいって感じられるんで、そこんとこは良かったなって思う

二人で仲良く、ダイニングテーブルで向き合って過ごせるモーニングタイム。点けたテレビニュースは、神戸市内に猪が出て大騒ぎになってるって、公共テレのアナウンサーがニュース原稿読んでるとこ
「ねえ、これって超人ランボーの出番なんじゃない?」って、トーストかじりながら駒ちゃんが言った
「そっかぁ、人間相手じゃないから、警察も文句言ってこないだろうし、ぶっとばしちゃったって、傷害罪とかにはならないもんね」俺もノリノリで返事した
「ちょっとザキさんにテル入れとくね」さすがテレビの人、駒ちゃんは即スマホで連絡をとった(今日はお休みなのに)
ザキさんはすぐ電話に出て「そいつはいけるかもだぞ」って、のってきた声が聴こえた

なんか折角の駒ちゃんとのお休みの日を、猪退治なんかで潰されるのも癪だけど、自分で乗せちゃったんだからしょうがないか、って超人ランボーの服に着替えてTテレに飛んで行くと(駒ちゃんは留守番)、受付にすぐザキさんとちょび髭の穴山Dと、もう一人若手のADがやって来て「今からこの荘田ADと一緒に神戸に行って欲しい」っていうことになってしまった
荘田ADは、バックパックとステディカムっていう手持ちカメラの軽装で「よろしくお願いします!」と言って、ぺこっと下げた頭を上げると、物言いたげに俺の顔を見てる
隣でザキさんと、ちょちょっと紺ちゃんの穴山Dも期待するような目で俺を見てる
えーっ、これって俺にこのADを連れて飛んで神戸に行ってくれってことなのぉ〜
「今から神戸まで、新幹線じゃ時間かかり過ぎだもんね。すんません、こいつと二人で、よろしくです」とうとう、はっきり言われちゃった。しょうがないなぁ

そう言えば、ちゃんとダウンのコート着てるし、手袋までしてる
「じゃあ飛んで行くってことでいいんっすね」悔しいんで、できるだけ一緒に飛ぶなんて嫌だなぁ、って顔してるんだけど残念、マスク被ってるからわかんないよね
とにかく荘田ADを後ろから抱えて、飛ぼうとしたら俺よりでかいんで、前というか飛んだら下が見えにくいし、バックパックは背中じゃなく腹にしてほしいこととか分かった
俺がもたもたしてると、穴山Dが「こりゃまずいなぁ。荘田君でかいから、ミスターRの視界が悪そうだよ」超人付けると長いし、ランボーのまんまじゃまずいだろって、ミスターRになったのか…まあいいか

「じゃあお前、バイクに乗れ。それをRさんに運んでもらったらどうだ」って穴山さん
「まあ、運べるけど」って俺
「時速100qくらいならメット被ってれば大丈夫だろ」これはザキさん。ディレクターって皆、らんぼーだな
「OKっす。俺、バイクは高速なら120qくらいで走りますから」って荘田君。それで決まった

荘田君がバイクに乗って、地下駐車場から出て来るのを待っていると、ザキさんが「しかし、ここからバイクごと急に空に飛び上がるってぇのもナンだよな」って呟くと、「そりゃ目立っちゃうよな」って穴山Dが続く
「Rさん、すみませんがこのビルの裏側からの方が良いって思うんで、ご案内しますから一緒にどうぞ」って穴山さんが言うと、先に発ってずんずん歩き出す。ザキさんはそのまま残って、荘田君に裏に回るようスマホで喋ってる

実は俺、バイクに乗った人間なんて持って空飛んだことないんで、出来るかなぁって悩んでたんだ
だけど話はどんどん進んで、やることになっちまったし、今さら自信がないなんて言い出せなくなってる
駒ちゃんと飛んだときは、なにも難しく考えずに抱いて飛べた。俺が抱き付いて、彼女がしがみ付いて来ただけで、二人の身体が浮いて、後は進みたい方向に行けた。右でも左でも上でも下でも
自動車系は、ダンプやユンボ、それから週刊誌の連中が乗ってた乗用車、どれもOKだった。重いとも思わなかった、なんて考えてるうちに、ドッドッドッと排気音立てて、かなりでかめのバイクに格好よく乗った荘田君が到着した。もうやるっきゃない

荘田君に、背負ってるバックパックを胸に抱いてもらって、俺は後ろの座席に跨って荘田君の腰に手を廻した
なんとそれだけで、バイクごと俺たちは宙に浮いた「おおっ、すげえなっ」穴山さんが感心した声を漏らす
後はバイクに跨った俺の足が、反重力かなんかの力で、バイクと俺たちを上空にすぅーっと運び上げる
「じゃあ、行くよっ」って声かけて、俺は東京の昼間の青空目指して、本格的に飛び始めた
posted by 熟年超人K at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 書き足しお気楽SF小説
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