2022年08月04日

ランボー超人Bの物語-14 正義なんだから暴れ放題B

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次の日は警視庁に当庁しなきゃいけない日だったんで、夕べのことなにか言われなきゃいいけどなぁ、って心配しながら出かけた
いつも通り、入口でチェックを受けて、なにもないときはSIT隊員が集まってる部屋に入ると、皆がざわっとしたのが分かった

あちゃー、って心の中で言っちまったけど、もち口からは出してない
自分の席に行くと、机に『1課長がお呼びです』とメモが貼ってあるじゃん(また、あちゃー、だ)

1課長の星崎さんには専用の部屋がある
恐る恐るドアをノックして「上辻曲です。入ります!」…この言い方にも慣れたナァ
「どうぞ」って、星崎さんの返事。声だけじゃあ、機嫌が良いのか悪いのか分からない人だけど、今日は分かる。悪い。って言うか、すごく悪い!

「昨夜は大活躍だったようですね」目線をデスクに落としたまま、トーンを上げないように抑えて喋ってる

「二つの現場に、君の指紋がべたべた有り、防犯カメラにも沢山録画されてました。重症者だけでも二十数人。死者がなかったのが不思議なくらいだと、鑑識の意見報告が出ています
建物内部の損壊も激烈で、渋谷で幅を利かせている半グレ集団同士の抗争としては、最大規模のものだった、と発表しておきましたが、マスコミの裏読みでは君の仕業じゃないのか、ともっぱらです」こんなに沢山喋る星崎さんは、見たことない

「上辻曲君、私は君の正義感と、スーパーパワーを活かす場として、SITの特別要員の席を用意した積りです。総監も私の意見具申をもっともとして、現在があるのです。法治国家としての日本では、ハリウッド映画のようにはいかないのが、現実です。君の今後について、これから関係部課長会議で検討しますので、結論が出るまで、自宅で謹慎するよう命じます。以上!」やっぱり、怒ってるよなぁ

席に戻ると、部屋に居る皆が、俺を見ないようにしているのが良く分かる。俺は「お騒がせしました。どうもすみません」って、形ばかりのお詫びをして、さっさと自分のマンションに帰った

いつものように、有楽町線と半蔵門線を乗り継いで渋谷に戻ったが、電車の中でもスマホを見ている乗客が、ちらちら俺を盗み見してる気がして、落ち着かなかった

やっぱり電車とか、普通人っぽくしてると、なんとなく世間の目とか、評判が気になってしまうもんだ
超人なら超人らしく空飛んでればいいんだけど、心のどっかで普通人の俺の時間が大切なんだって思ってる

マンションに戻って、テレビ点けて、午後のニュースショー観ると、どの局でも『渋谷の2大半グレ集団、深夜の大抗争!!』ばかりだ(もち、タイトルはちょっとずつ違ってるけど)

さすがにTテレの“午後だよGo!Go!”は、警視庁発表を、ほぼそのままなぞった無いようだったけど、他の局は、それだけでしょうか?とか、裏に隠れた真実は?みたいな番組構成になってる

俺は、チャンネルを次々変えながら、各局のニュースショーを見比べた
さすがに、俺がぶち壊した半グレのアジトの中の様子は、どっちも規制線が張られているんで、カメラは中に入れず、コメンテータが建物の外からリポートしている状態で、それを局に集められている“専門家”や“評論家”が、がやがや言ってるのが多かった

あっちこっちチャンネルを動かしてると、知った顔が出て来た
ジョーに逢ったとき、コンビニ前に群れてたうちのJK二人だ

「それで、その変なおじさんが、この辺の有名な半グレたち知ってる?って訊いて来たわけぇ」
「そうそう、あたし、ユーチューバーだと思っちゃってぇ、ほら、いるでしょ、格闘家のユーチューバー」

「そう思ったんですね。それで、あなたが教えてあげたの?」女のレポーターが質問する
「まっさかぁ、あたしたち知ってる訳ないじゃん」「それであいつが出て来たんだよね」「そうそう」

「それが、半グレの仲間?」「えーっ、どうかなー。あの人、そんなに危ないやつじゃないよねぇ」「そうそうパンピー」「でも、半グレの仲間の処に、おじさん行ったんでしょ?」「わっかんない」「そうそう、あたしらだって、やばいことになるのやだしぃ」「もう、ばっくれちゃったもんね、みんな」

その後、マイクはスタジオに回ったんで、ジョーのこととか、JKが言ってたおじさんが、事件に関わってるかどうか、わからないままになったけど、どっちにしても俺の正体は警察にはばれてる訳で、後はジヨーが自分から名乗り出たりしたら、ちょっと白を切り続けらんないだろーな、とかいろいろ考えちまった

テレビに出て、超人ランボーの中の人が俺だって、もう明かしちゃってる訳だし、誰かが俺だって気が付けば、あれやったのは俺だって分かることは、覚悟しとかないと、ってちょっとは落ち込んだけど、まあそうなりゃそうなったときだな、って立ち直りが早いのが俺のいいところじゃん
posted by 熟年超人K at 16:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 書き足しお気楽SF小説
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