2022年07月30日

ランボー超人Bの物語-14 正義なんだから暴れ放題A

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もちろん、全然終わっちゃいない
こっちの部屋のどったんばったんは、確実にドアの奥に聞こえてるはず、多分ピストルやら日本刀やらその他いろいろ、ぶっそうなもん持った、目つきの悪い連中が、わんさか集まってるに違いない

まあ、こっちはそんなのどうだっていいんだけどね
なんてったって不死身の超人ランボーさまなんだから、矢でも鉄砲でもどうぞどうぞ、ってやつなんだから!

「ジョー、お前は隅に隠れてな」とか言っといて、ぐいっとドア(革張りのキルティングの扉)を開けた
な〜んと、なんとなんと!奥の部屋は、ごつい奴らなんて全然居なくて、肌を思いっきし見せまくってる、超きれいなオネイサンたちで一杯!

部屋は全体がブラックの革張り調で、シャンデリアとかも天井から下がってて、めっちゃゴージャス!
奥にでかいデスクと社長用みたいな椅子があり、部屋の真中に、黒革張り&金の縁取りの矢鱈豪華なソファと、その前にはフルーツ盛り合せどーんの低いテーブル、両側にスツールがひとつずつの応接セット

部屋の左側はバーカウンターみたいになっていて、その中に(シックな大人の)別格美女が一人、反対側の壁際には肌見せオネイサンがずらり五人
で、あのイケメンすかし野郎が、ゆったりソファに座って、まあどうぞ、みたいな手つきで座るよう勧めてる

当然、この後、なにかが起きるんだろうが、一応、相手の誘いに乗ってやろうと思ったね、俺は
イケすか野郎がちょちょっと合図すると、まさかというか思った通りと言うか、オネイサンたちが、俺とイケすか野郎のソファ目指して、飲み物を手にすすっと寄って来た

「まあどうぞ、一暴れして喉も乾いたでしょう」…なんか、態度も服装もはまり過ぎで、むかつく
「飲み物なんて、どうでもいいんだ。さっきの話の続きをしようぜ」って凄んでも、両側から薄着の女がべたべたしてくるから、どうも調子が出ない

「いいじゃないですか、貴方はこれくらいのもてなしを受けるのにふさわしい方なんだから。ですよね、超人ランボーさん」なんだこいつ、俺の正体を知ってるじゃないか

「知ってたんなら話は早いな。お宅らも七星会も、似たか寄ったかのワルなんだろう。俺が正義のハンマーでぶっ潰すっていってんだよっ」なんて喋ってっても、しなだれかかってくる両脇の女がいちゃいちゃしてくるもんで、どうにも気合が入らない!

「いやいや僕ら、ちょっと裏社会の金儲けの仕組みを知ってる程度の、真面目な水商売屋さんなんですよ」
「ふん、悪い奴らが自分は悪い奴だなんて言うはずないからな」とは言ってみたものの、こうして向き合ってると、それほどワルに見えないんだよな…

「それはそうと、さすが超人ランボーさんですねえ。前室の連中は、あれで結構役に立つ奴らだったんですけど、あっという間に片付けちゃいましたねえ」…俺はこいつの喋り方が嫌いなんだって思った

「そりゃどうも!まあそんなことはいいから、まだ兵隊さん居るんだったら、さっさと呼んでくれよ」
「おやおや、女の子はお嫌いなんですか、ランボーさん」まだ余裕見せてやがる

「嫌いな訳ないじゃん。怪我させちゃ、悪いから、どっかに避難させてくれよ」…って言ってるんだよ!って言おうとした俺の口に、フォークが刺さったマンゴーが押し付けられてきた

「ほーら、お前らのおもてなしがお気に召さないって、仰ってるじゃないか」その言葉に、両脇のオネイサンがびくっとしたのが分かった。やっぱ、こいついつは怖い奴なんだ

「もういいや。じゃあ、怪我したくない人は、部屋の隅っこに引っこんどいてな」もう、一気に決着しちゃおうって思った俺は、肩に手を廻してくるオネイサンに構わず、ずいっ、と立ちあがった

「あらあらあら、まだ暴れちゃう時間ではありませんわよ」ちょっと鼻にかかったセクシー(ってこういうのだよな)な声とともに、大人美女が、きれいな青いカクテルの入ったグラスを持って登場だ

「ママ、ちょっとむずいお客さんだけど、よろしく頼みますよ。ランボーさん、ここのママさんです、ご紹介します、エマさんでーす」どうしても、芝居がかった言い方になるんだなこいつは!

このママさんのエマさん、俺の右側のオネイサンをスツールに移すと、そのままふわっと横に座って来る
高価そうな薄手のロングドレスの裾に、深いスリットが入ってるもんだから、すらっときれいな白い生脚が、目に飛び込んでくる

それが、俺の横に座ろうとしながら、俺に体重預けてくるもんだから、ついつい一緒にまたソファに腰を下ろしちまった(背も、俺と同じくらいなんで、もたれかかり易かっただろうな…)

「貴方って、すごいのよねぇ。テレビで拝見したわ。力もすごいし、鉄砲持ったギャングなんて、ひょいひょいって片付けちゃったんでしょ。あたし、憧れちゃったぁ」うーん、こういうの全然慣れてないから、俺、どしたらいいか、困ってるですよ

その様子を見てるイケすか野郎が、軽〜く笑ったような気がした、って言うか、見た
そんなこんなで、ここに来てから大分時間が経ってる。あっちの七星会ぶっ潰しから、30〜40分経ってるはず(俺としては、七星会とジャガーズがやり合って共倒れ、ってシナリオにしたいんだよ)

もう、こうしちゃいられないって思ったんで、残念だけど大人な時間は終わりにして、一気にイケすか野郎をぶん殴っちまえば、話が進むんだろうって、大人の彼女は横にどけて、俺は身体を宙に浮かせると「もういいや、俺、始めちゃうわ!」って天井近くから怒鳴ってやった

そうなると、イケすか野郎も本性出して、さっとソファから立ち上がって、奥のデスクの方に走る
なんか出すのか、と思ってると、机のインターフォンに「出て来い!」って怒鳴ると、デスクの引き出しからシルバーの拳銃を掴み出す

すぐにどーんって、俺が入って来たドアと、バーカウンターの向かい側のドアが開いて、どやどや!っと野郎どもが飛び込んで来た(俺としてはやっと出たか、だけどね)
ところで、ジョーはどこだろ、って部屋中見渡すと、大慌てで部屋から逃げようとしてるオネイサンと、大人美人と一緒に、この部屋から逃げ出してる(要領いい奴!)

それから、イケすか野郎が拳銃ぶっ放すは、日本刀やゴルフのアイアン振り回して来る奴とか、ヌンチャクやトンファーも居たし、チェーンとか金属バットとか、爆弾と機関銃以外、なんでもありだったけど、なにしろ俺、超人だからそんなの全然効き目ないから

とにかく誰でも構わず、身体のどっか掴んでは放り投げ、してるうちに倒れて唸ってない奴(イケすか野郎も中にいた)は、ゼロになったんで、俺は部屋を出て、同じくめちゃめちゃになった前室を通って、店の外に出た

「終わったんすか?」ってジョーが声をかけて来た
「ああ」とだけ言って、俺はさっと夜空に飛び上がった。ジョーは、自分でどうにかするだろう
posted by 熟年超人K at 17:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 書き足しお気楽SF小説
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