2022年07月18日

ランボー超人Bの物語-13 本気で正義の味方やってみるF

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今まで、兄貴、なんて呼ばれたことなかったけど、結構いいもんだ
「お前に兄貴なんて呼ばれる筋合いはないぞ」って返してみたけど、どうもチンピラドラマになっちまう
だけど、あれだね。なんか男の絆、って言うか、心が暖かくなるもんだよ、これって

それで兄貴って呼んでるのが“ジョー”じゃ、どっちかって言うと漫画。しかも部隊は非常階段ってきてる
「お前、七星会のメンバーなのか?」「さっきまでは、そうっす。だけど今は、兄貴の舎弟っす」なに言ってんだか、こいつ…ってこそばゆいぞっ

「兄貴は、あれっしょ、超人ランボーさんなんでしょ?」うっ、こいつ俺の正体知ってる!
「なんで、そう思うんだよ」一応しらを切ってみる
「だって、テレビに出てたじゃないっすか。俺、人の顔覚えるの得意なんすよ」って、得意そうな顔

「そ、そうか、まあ知ってるんならそれでいいや。だけど、他の奴に言うなよ」
「分かってますって。正義の味方だから、普段は普通の人間してないとまずいんでしょ」…う、ん、それはまあそうかな

大体、このジョーって名乗ってる金髪野郎は、最初、ジャガーズってグループんとこに、俺を連れてくって言ってなかったっけ。それが、行ってみれば七星会の連中が集まってるとこだったし、なんかおかしいな

「おい、お前、最初はジャガーズんとこに、俺を連れてくって言ってなかったか?」
「ああ、そう言いましたよ。まあ、仲間に紹介する前に、ちょこっと腕試し見せてもらったってとこですかね」全然悪いと思ってねえな、こいつ

「じゃあ、七星会はジャガーズの敵方だったって訳なのか」「そうっすよ。でも、お蔭で、手土産持ってジャガーズんとこに行けるじゃないっすか」なんて調子がいい奴なんだ、こいつは!

冗談じゃない、って思ったが、まあワルをやっつけるんなら、こいつに案内してもらっといて、そこもぶっ潰しちまえばいいか
「じゃあ、そのジャガーズんとこに案内しろよ」こうなったら、上から口調で、こいつに案内させてやるぞ

「いいっすよ。もうOKもらってるんで、案内させてもらいます」そう言うと、どんどん非常階段を下りていく
こうなると、こいつは信じられない奴だけど、次のステップに行きたいんなら、こいつに案内してもらうのが一番早いって思ったから、俺も黙って後を付いて行くだけだ

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ところで、猛烈に腹が減っていることに気が付いた
前を歩いて行くジョーに「おい、この時間でも開いてて、安くて旨いもん食わせる店、知ってないか?」って、声をかけた

「えーっ、ケッコー条件、多いじゃないっすか。うん、だけど俺、知ってる店あるっすよ」おー、いい返事だ
「今から、そこに連れてけ」「えーっ、今からって、今っすか。だけど、ジャガーズの本部にはこれから兄貴を連れてくって、連絡入れてるんすけど…まあいいか、店、ラーメン屋っすけど、近いからちょっと寄ってきましょーか」なかなか役に立ちそうだな、ジョー

ラーメン屋は、ラーメンだけじゃなくって、餃子も天津飯も炒飯も出来る店だったんで、全部注文してやった
とにかく、超人技使うと、その後、無茶苦茶腹が減るんだよな
ジョーがびっくりしてる間に、ラーメンと炒飯のお替りまでしたんで、やっと腹の具合が良くなった

お勘定、ってなって、ジョーが金持ってないことが分かって、慌てた
なにしろ家でまったりしていて、そのまんま飛び出したもんだから、俺だって持ってない…ってなったんだけど、前に駒ちゃんが急にお金が要ることってあるから、1万円札の折りたたんだの、普段使わないポケットに入れとくと助かるよ、って言ってたの思い出した

めっちゃ折れ筋の入った万札を取り出して、お勘定するとお釣りが5200円もあった(確かに安い旨い店だ!)
付き合いでラーメンだけ食ったジョーも、ほっとしてたが、スマホが鳴ってジャガーズから「遅せぇじゃねーか!」って怒鳴られたときは、ホント青くなって「ちょっと現場片付けるの時間かかっちまいまして…」とか、言い訳して、俺に「ちょっとかりかりしてるみたいなんで、もう行けますかねぇ」って泣き言

それからはずんずん早足で歩いて(ジョーが追いつかないんでおぶってやった)、ジャガーズの本部があるっていう、『Longest Night』ってネオンが点ってる、怪しげな店に着いた
どうもここで、違法バカラとか若い女の子が一緒するショーパブみたいな営業をしてるらしい

ジョーは顔見知りらしく、入口に立ってるごつい黒服に「よっ」って挨拶して、どんどん中に入って行く
俺が続いて入ろうとすると、ごつい門番が俺の前に立ち塞がる
当然、顔見知りのジョーの連れだってことは分かってるはずなのに、これはただの嫌がらせだ

俺は黙ってそのごつい門番を、左手で除けてやった
門番は想像してなかったもの凄い力で、横に払われたんでバランスを失って、思いっ切りひっ転んじまった

そうなると、門番としてのプライドがあるもんだから、起き上がるとムキになって俺に掴みかかって来る
俺としてはこんな奴、まともに相手にするのもどーかなって思ったけど、あしらえるかどうかも試験みたいなもんかな、気が付いたから、身長185くらいの門番の肘を、左手で掴んでぐいっと持ち上げてやった

「もう、そんなところで許してやってくれよ」とか、妙にキザったらしい声がかかったんで、そっちを見ると、濃紺のベストと濃紺の細身のズボンの、すかした野郎が奥から出て来て、俺に話しかけてきた
ジョーは、その隣で固くなってる(は〜ん、こいつがボスか兄貴分ってとこか)
posted by 熟年超人K at 20:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 書き足しお気楽SF小説
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