2021年12月04日

ランボー超人Bの物語-9 超人って楽しいかもA

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そんな駒沢さんの反応に、俺のお気楽精神が発動、連中をちょっとからかってやろうか、っていうワル衝動がむくむくしてきた
「ちょっと待ってて」って駒沢さんに言い残しといて、俺は夜空を飛んで、黒い車の真上に行った
それから屋根の両端を(なんとか)掴んで、軽く宙に持ち上げてやった

公称170pの俺が、両手を目いっぱいに広げて、やっと指先がかかっている程度で、1トン以上ある車が持ち上がるなんて変だなって、その時不思議に感じた
こりゃ、超人っていうのは、馬鹿力だけのもんじゃないんだな、って気が付いたんだ

これまでは、自動車みたいな物を持ち上げるなら、下から持ち上げればいいって思ってたんだけど、なにか別の力もありそうだ…、なんて持って宙に浮いてる俺が呑気に考えてる間、持ち上げられてる車の中の連中は、車から逃げ出したくっても高さが5mくらいあるんで、とにかくわーわー騒いでる

超人ってのは、疲れるってことはないんで、このまま持っててもいいんだけど、あんまり喧しいし、下じゃあ警察らしい二人も、こっちを見上げてるもんだから、まあ、そぉーっと降ろしてやったわけ

そしたら、そのままお礼も言わずに、ばぁーっと走って逃げてった
追いかけるのもなんだから、警察らしい二人に、ちょっと肩をすくめて(外国映画でよく見るアレ)、しょうがないねって顔したんだけど、空中でやったもんだから、共感は得られなかったみたい

まあ、車を放かしちゃった訳でもないから、特に問題ないか、って判断して、ちょっと片手上げて挨拶しといて、一気に急上昇して、夜空に紛れて、駒沢さんが待ってるビルの屋上に戻った

「ごめん、待たせちゃって」寒そうにして立っている駒沢さんに謝る俺
「いいのよ、見てて面白かった。あの車、あっちの先の交差点で、停まってる車に衝突して謝ってたわ」

それから、二人で少し離れたブロックまで飛んで、後は地上に降りて、歩いて地下鉄駅まで送って行った
「じゃあね」って言って、彼女がホームの方に去って行くのを見送る俺は、なんかやりとげた感で満足だった

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やりとげた感で満足した日の翌週、アパートから近くのコンビニに行った俺は、店内にいるお客や店員の視線が集まって来るのを感じた

テレビに出ちゃってから、人の視線が注がれるのには大分、慣れてはいたんだけど、なんと言うか視線に棘があるって言うか、怖がられてる感が半端ない

いつもはざっと見て、飲料か弁当か酒のつまみコーナーに行くんだが、週刊風評の表紙にでかく『乱暴極まりない超人ランボー!! こと上辻曲勇太郎』てな見出しが、目に飛び込んで来た

結局、あれから週刊風評の大辻って言ってた週刊誌の記者からは、なんの連絡もなかったけど、こんな風な記事書いてたんだ!ってびっくり

立ち読みでぱらぱらって中見ると、ずいぶんなこと書かれてる。大体、一瞬立ち話しただけなのに、俺と記者が話してるって感じの写真はあるは、なんにもコメントしてないのに俺が、とにかく有名になれりゃいいみたいな話になってて

テレビで紹介されたお蔭で、女の子にモテまくりだの、ビルの解体工事で近所の人たちが大迷惑(これはホントだけど)しただの、どこで聞き込んだのか大手組に殴り込んだ話があるとか、首都高事故を利用してTテレに自分を売り込んだんだとか、あることないことが書かれてる

それにしても、こんな週刊誌に載ったくらいで、コンビニにいるお客の誰も彼もや、あまり感情を見せない店員までが、俺を恐れてるなんて!

とりあえず、缶ビールと弁当2つとつまみになりそうなおかずを買って、俺はアパートにこそこそ帰った
(別にこそこそってつもりは無かったけど、あまり顔を見せないようにするってのが、こそこそになるんだなって自分自身納得したね)

それからが大変。今日は雄仁塚の仕事は無いんで、のんびり昼飯って思ってたんだけど、テレビを点けるとワイドショーで俺のこと書かれてる週刊誌がネタになってる

Tテレのライバル局は、どっちかって言うと俺を危険人物、とかその可能性大みたいに言ってて、NHKとTテレが無視って状況

芸能人や有名人が、あれこれ書かれて大変って嘆いてる気持ちがよく分かる…って言うか、騒がれても今のとこ良いことない俺としては、取材もしてないのによく書くよ!って、一人で怒ってる状態なんだよな

そのうち、駒ちゃんからメールで心配の言葉が入ったり、雄仁塚の合田社長から激励の電話が来たり、Tテレのトクさんから、なにか言いたいことがあるんなら、一度打合せしよう、って声が掛かったりで、ざわざわ周りが騒いでるのが面白くなってきた、って言ったら駒ちゃんに怒られるかなぁ
posted by 熟年超人K at 17:34| Comment(0) | 書き足しお気楽SF小説
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