2021年10月16日

ランボー超人Bの物語-8超人って大変K

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「そうか」って言うと、その偉い感じの人が、後ろにいるガタイの良い男になにか囁いた
ざわっと人が動いて道が開き、ガタイの良い男が走り去る
俺と向き合って立っている偉そうな人が「少し、このまま待って頂けるかな」って落ち着いた声で言うんで、俺も、ああいいよ、みたいな気持ちを込めて、こくんと頷いた
多分、ここにはここのやり方があって、大将に会うには、いろいろ手続きがあるんだろう、っていうことは、雄仁塚建設で教わっていたから

でも、そのまま両手をぶらんとして突っ立っているのもなんだから、ちょっと身体を浮かせて、軽く天井辺りで寝ころんで見せてやった
おおっ、っていう声が、ほぼほぼ全員の口から洩れたけど、偉そうな人は、黙って俺を見上げてじっとしてる
そんな隠し芸大会みたいなことをやってるうちに、さっき走ってったガタイの良い奴が戻ってきて、内線電話(と思う)の受話器を、偉そうな人に渡した(俺が、すーっと下に降りたのは言うまでもない)

ええ…、はい、とか、私は大丈夫だと思います、とか話してから「総監がお会いするということだ。11階に行ってくれ」と、さらっと言ったさ
「わかった」ってひと言だけ言って、ガタイの良い奴が開けてくれたエレベーターに乗り込む
驚いたことに、偉そうな人も俺に続いてエレベーターに乗り込んで来たと思うと、ガタイの良い奴まで一緒に入って来て、さっさと11階のボタンを押す

ところで、エレベーターの中って、どうしてあんなに黙りこくった感じになるんだろう
ほんの短い時間だけど、俺はすることもなく、エレベーター内の三人について考えた
俺の身長は168p。スタイリストの高取さんが作ってくれた、超人ランボーの衣装は3pくらい厚底になってるんで、ちょっと見170pくらいあるけど、俺でも分かる高そうなスーツの偉そうな人は、180p手前くらいだしガタイの良い奴は190pくらいで、エレベーターの中で、俺は埋もれてる
超人前の俺だったら、ぜってーあり得なかった組合せじゃん、って思うとちょっと笑える

その気配を感じたのかガタイくんが、じろっと俺のこと見た(俺は知らん顔)
エレベーターが11階に着いて、ドアが開くと、やっぱり高そうなスーツのイケメンくんがすっとお辞儀をして「総監室でお待ちです」と、俺にじゃあなくて、偉そうな人に言う
「ええ。それでは、えーと、なんてお呼びすれば良いのですかね、上辻曲勇太郎さん」と、偉そうマンが妙に丁寧な喋りで話しかけてきた
「超人ランボーと呼んで下さい」ここは、はっきりさせとかんといかんとこだぞ、と思った俺は、胸を張ってそう答えてやった

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偉そうマンは「わかりました」って言うと、俺にどうぞ、って身振りで示す
そうなると、やっぱり「どーも」みたいに、ついお辞儀して中に入ることになっちまう
部屋の奥にでかい机があって、立いかにも高そうな、ずっしりした感じの木の扉を、恰好よくコンコンって偉そうマンはノックすると、別に返事は待たずに扉を開くと、制服の肩に金ぴかが沢山並んでる人が、立派な椅子に座っていて、用はなんだね、みたいな顔をしてこっちを見てる

こういうときは、気合で負けると、あとあと相手が上の立場になるから、呑まれるなよって、雄仁塚建設の合田社長が言ってた言葉を、頭の中で繰り返して、こっちも横柄な態度して、偉そうマンが示してくれた椅子に、どんと座る
でも、クッションが柔らかくて、身体が沈んじゃって、なんか自分が余計小さくなった気がする
「警視総監さんですか?」と、当たり前なことを訊いておいて、自分でもちょっと間抜けだったかなと気にした
どうも落ち着かないんで、部屋の中をぐるっと見回すことにすると、この部屋にはもうひとつ別のドアがある

ちょっと気になったんで、久々に透視してみることにした
隣の部屋には、五人隠れていて、ああ警視総監に何かあったらいけないんで、護衛が隠れてるんだな、と納得
もう少しよく見てやろうと思ったけど、偉そうマンが「総監、こちらが超人ランボーさんです」と話し出したんで、改めて総監という人を見た

総監という人は、偉そうマンより年上みたいだが、あまり貫禄がないように思える
実際のところ、偉そうマンの方が偉いんじゃないかと思えるくらい、どっしりしていない
あの大手組の親分の方が、貫録があったんじゃないかなぁ、って考えてると、ぼそっと口をきいた
「それで、お話というのは…」そこまで言うと、そのまま黙って俺の顔を眺めてる(やな感じだ)
なんて言ったらいいのか、結構行き当たりばったりで、会えればなんとかなるだろ、って考えてたんで、答えに詰まった

どうしようかって思いながら、天井に目をやったら、防犯カメラの赤い灯がチカチカしてるのが見えた
それで、ぱっと閃いた。俺の実力を見せちゃった方が早いって
「実は、俺って超人なんで、こんなことが出来るんっすよ」って言っておいて、俺は椅子から立ち上がりながら、そのまま天井の防犯カメラのところまで浮き上がった
高いところから見下ろすと、人間って偉い気分になるってホントだな
ガタイくんが緊張して、胸に手をやって身構えていて、偉そうマンは部屋の隅に移動してるのが見える。総監さんは、変わらず椅子に座ったままで、俺の方を見上げてる

「ランボーさん、なんのまねですか!」偉そうマンが強い口調で言った。ついでなんで、別のドアを透視すると、中の人が出て来ようとして、押し集まってるのが見える
「例えば、こんな監視カメラなんて目じゃないし…」そこまで言っといて、さっと下に降りて
「そこの大きな人が、隠してるピストル出して撃ったって、俺はなんともないんです。試しに、撃ってみて下さいよ」大手組に行ったとき、ちょっと経験してるんで、まあ大丈夫だろーって、ハッタリかましてやった

「わかりました。成森警部補、発砲を許可します」偉そうマンが落ち着いた声で、ガタイくんに命令した
その声を聞いた瞬間に、ガタイくんがぱっと動いて、上着の下から黒い拳銃を抜き出して、俺にぴたっと銃口を向けた
「よろしいんですね。あなたが、首を縦に動かしたら、彼はためらわず発砲します。やめておきたいなら、横に振ってくださったら、撃ちません」さあ、どーするみたいになったんで、俺は覚悟して首を縦に動かした

ダン、って乾いた音がした瞬間、俺には銃口からこっちに飛んで来る弾が見えた。んで、つい、さっと避けちまった
弾丸は、俺の後に座ってる総監さんの横の、コートかけに当って、木の屑がぱっと飛び散った
「そうそう、まずこうやって弾丸を避けるのはラクショー。それから、当ったって別になんともないんで、次は避けないんで、しっかり頭でも胸でも狙って撃ってください」つい避けちゃったのをごまかして、そう言ったった
posted by 熟年超人K at 11:52| Comment(0) | 書き足しお気楽SF小説
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