2020年03月25日

ランボー超人Bの物語―5 俺はランボー超人だーっC

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廊下に出たら、人影がいくつか動いたのが分かった
足音もよく聴こえたし、人の気配っていうか、空気が動いたのがわかるんだ

ただ、襲ってくる感じはなくって、こっちを見張ってるだけなようだ
ならどうでもいいか、と思って廊下の突き当りまで、軽〜く走ってみた

と、危なく突き当りの壁にぶつかるところで、なんとか急ブレーキで止まれた
周りを見廻すと非常口らしき鉄扉がある

ドアノブを掴んで、ぐいっと回すとめりっと音がして取れちまった(鍵がかかってたんだ)
なんて壊れやすいんだ、って思いながら、取れた痕に開いた穴に指を突っ込んで、引き開けた

ぎぎぃぃんんと、ひどい音がしてドアが引っぺがされる
遠巻きに見張ってる連中が、凍りついたみたいに目を見開いて突っ立ってる

ま、そんなものは放っといて、非常階段を駆け上ることにした
始めは3段飛ばしで、駆け上がってたけど、めんどくさくなって、階段すれすれに飛んでくことにした

確かにその方が早いし、なんか気分も良いことに気付いたんだ
スノボを逆に滑って上ることができたら、こんな感じになるのかなぁ

そのままの勢いで、階段の一番上に着いた
ここにも鉄扉があって、そこから屋上に出れそう

と思ったんで、止まらずそのままぶち当たっちまった
いつもの俺なら、絶対そんな無茶はしないんだけど、なんかハイになってたんだな

ばっがぁぁんん、それこそとんでもない音がして、鉄扉が屋上に吹っ飛ぶと
飛び降り防止の(多分)鉄柵にぶつかると、跳ね返って来て、屋上のコンクリート床でくるくる回った

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あんな重そうな鉄扉が、外まで跳んじまわなくて良かったぁ、って思ったよ
ここの屋上から下まで落ちたら、誰か怪我するか、運が悪けりゃ死ぬもんね

まあ、そうじゃなかったんで、良かったんだけど
飛び去る前に、飛び降り防止の鉄柵の上に乗って、下を見たらパトカーが2台3台停まるとこだった

ぶっ飛ばした鉄扉の跡から男が2人、こっちを見てたが、構わず空に飛び上がり
(と言っても、映画のスーパーマンみたいにカッコよくなかったけど)

真直ぐ上昇して、雲の中に飛び込んで、そこで水平に飛んで、下の連中の視線をまいてやった
なぜって、この後、割とご近所のテレビ局に寄ってこうと思ってたからさ

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空を飛んでみて気になったことがある
マントだ、あれがないとどうもカッコよく飛べてない

飛んでる印象が絶対違うと思う
まして、今日の俺はズダボロの紺のスゥェットって格好だもん

やっぱりマントがひらーってなってないと、らしくないじゃん
地上に降り立つときにもねぇ

アイ〇ンマンみたいに、メカっぽきゃあ別だけど
まあ、仕方ないな、それでテレビ局に行くんだから

急降下で雲を突き抜けると、また赤坂あたりが見えてきた
目印の丸いヘリポートが見える

ひゅーんと下りてって、着陸目印らしい丸で囲んだRマークにうまく着地できた
なにも壊さなかったことにほっとして、周りを見回すと下に降りられるそうな穴がある

そのタラップみたいな階段をとととっと下りると
下も円形フロアになっている

さらに下に降りられる出入り口を探し当て、鍵がかかってた鉄扉を力で開けて
下のフロアに向かった

全20階のこのビルは、2〜8階がテレビスタジオになっていると、ネットにあったので
多分偉い人たちが上の階で、11階12階の食堂みたいだから13階までオフィスなんだろうな

ってことで、非常階段をずーっと5階まで駆け下りたってわけ
別に、何階のどのスタジオでなにやってるかなんて、知らなかったけど、なんとなくのカンで

フロアに出るドアを思い切って開けてみると
人がぞろぞろ歩いてた

時計持ってないんで、何時か分からなかったけど、もしかすると昼のワイドショーの見学者だ
だって、皆んな素人っぽい顔だから

それでもちょっとは服の埃も払ってあるし、髪も手でさっさっと撫でてある
破れたスゥェットは、ファッションって言えばそうも見えるだろうし(多分無理だな)

穴が開いて、ナイフで引き裂かれたスゥェットシャツは…まあ普通じゃない感じだけど
濃い紺色だから、血が飛んでてもそこそこ見えてないどろうから、知らん顔で列の中に紛れ込んだ

おばさんたちは、皆、あらっ、って言う顔をして、俺の顔を見るけど
まあテレビ局なんてそんな奴もいるんだろう、って顔して通り過ぎてく

見学客の列を遡って、列の終わりが出て来た大きな扉を見つけて
知らん顔して、中に入り込むことに成功!

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通路じゃあ問題なかった俺の今の格好は、スタジオの中に入ると目立つかも知れん、ってどきどきした
スーツの男のキャスターや、きれいな服の女子アナたちは、番組が終わったぁ、っていう感じで

なにかぺちゃくちゃ喋ってる
俺と同じようなラフな格好の、デニムとTシャツとか、チノパンにジャンバーみたいな連中は、黙ってカメラやら長いコードとか、飾ってあった花なんか、ちゃっちゃ片付けてる

「おい、あんた誰?」って、声のかかった方を見ると、ポロシャツにカーディガンみたいな格好の、俺より2〜3個上の偉そうな男が、こっちを見てる
これがきっとディレクターって奴だな、って思ったから、一応ぺこっと頭を下げてやった

「そこでなにしてるの!見学者?、しだしさん?」全然疑ってる感じありあり
「えーっと、俺、超人でしてぇ、今、やくざさんのビルで暴れて来たんで、こんな格好で失礼します!」ちゃーんと、礼儀正しく答えてやった

「はぁ、なに…、なに言ってるの君。どっから入って来たの」ムチャクチャ警戒してる雰囲気になった
「ですから…」って言いながら、こりゃ実際なんかやって見せた方がいいかな、って思って見るからに重そうな物でも、片手で持ち上げたろうと、見廻すと大きなテレビカメラがあった

そいつを土台ごと右手で掴んで、ひょいって持ち上げたら、ディレクターさんが顔色変えて後ずさった
「こんなこと簡単なんっすよ。ほら」言いながら、頭の上まで持ち上げたら、電源コードかなんかが引っ張られて、そこらでガッチャンガラガラって、ひどい音がして、物が倒れちまった

結構スタジオ中に鳴り響いたもんで、向こうにいる出演者の皆んなもこっちを見るわ、いろいろ器材を片付けてた連中もぎょっとして、固まってる
「あ、どうもすみません」って、ちゃんと謝りながら、俺はそーっとカメラを床に置いた

「だれー、誰なのその人ー」テレビで見たことのある、一番偉そうな感じの、びしっと決まったスーツの男の人が、そう言いながら、こっちに寄ってくる
「危険かも知れないんで、お下がりくださいー」なんか必死な感じで、ディレクターが叫んだ
posted by 熟年超人K at 17:04| Comment(0) | 書き足しお気楽SF小説
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