2023年05月05日

ランボー超人Bの物語-19 超人パワーでGo!I

二人が帰った後、俺はインターネット中の“北海道ヒグマ退治”への、ネット民の発言をチェックし捲った
大体の内容をまとめると、ヒグマ=北海道の先住動物だから、あとから入って来た人間が育てている牛を襲うのは、本能だから仕方ないという意見が基になっていて、そこに、動物好きだの、クマが丸っこくてかわいいから好きだの、プーさんやパディントンが好きだのと言う人がいろいろ集まって、俺のやり方を批判してるって感じ

その中に、特に超人が許せないって話が割り込んで来て、超人ランボーを攻撃する強硬派がいるかと思うと、理由は特にないけど、なんか個人的にこいつが許せん、みたいな書き方してる悪意満載の意見もある
荘田君が言ってたように、局としてはこの手の言い合いをしても、何の得にもならないって言うか、スポンサーが困るから、できるだけ触れたくないのもわかる
読んでるうちに、俺はどんどん怒れて来て、なんか無茶苦茶にぶっ壊すとか、暴れるとかしたくなってきたけど、さすがに、それはできんだろって良識が働いて、とりあえず変装して街に出て行きたくなった

変装については、暇なときにいろいろチャレンジしてたんで、衣装は一応揃ってる
元々、俺はオーラなんて全然ないから、ちょっといつもは着てないような服着て、サングラスかなんかかけたら、渋谷じゃ全く目立たなくなる
だけど、いつもは着ない服っていうと、ばりっとしたリーマンスーツか、思いっきりパンクな服ってことなんで、さすがにそういうのはない

どーにか街でお洒落に見えそうなスケーターブランドの長袖Tシャツに、細身の黒パンツにサングラスって恰好で、初めてのDjバーに繰り出した
夜の9時の渋谷駅あたりの人出はすごいもので、とにかく人がぞろぞろぞろと、どこにも溢れてる状態で、その中で俺だけが、特に行く先も決めずにふわっと歩いてる
さすがに、超人能力はこんなときでも発揮できてて、どんなに人が多くても(もう酔っ払ってる奴もいるが)絶対、ぶつからずにすいすい歩けてる

駅近くの雑居ビルに、お目当てのDJバーがあるはずと思って、そのあたりをうろうろしたけど、飲み屋ばかり目に付いて見つからない
「あぁーっ、ランボーだぁ!」後ろから、聞き覚えのある声が聞こえた。マミ!?
「おーっ、そうじゃん、ランボーの人じゃん!」振り返ると、ブルードラゴンズのメンバーと、今日は銀色の肩パット入りスーツで決めている山下さんもいる

「どうしたんっすか?どっか、遊びに行くとこっすか」メンバーの中の一番若い子(山根だったか山路だったか)が、にこにこしながら、話しかけてくる
「うん、まあ…」とか言いながら、渋谷で遊ぶ場所も知らないってのは、カッコつかんなぁって思ってると
「俺らと一緒、しません?」「そーそー、行こっ!一緒に行こうよ」って、リーダーの竜崎さんとマミちゃんが、強く誘ってくれる
「いいじゃにですか、一緒に繰り込みましょ!あたしたち、これから知ってるオーナーのお店に行くとこなんですよ」って、山下さんも、熱心に勧めてくれる

じゃあ、って誘われた形で、俺はブルードラゴンズのみんなと、一緒することに決めた
みんなでぞろぞろ入ってったお店は、なんと行こうとしてたDJバーの『ツィース』だった
店内は、なんかきらきらで、でかい音でダンスナンバーを流してる店で、DJバーっていうだけあって、かっこいいDJが、なんか掛け声みたいに話を入れながら、次から次に曲をかけている
VIP席みたいなブースにメンバーと一緒に入って、すぐに出てきたカクテルとつまみを口にしながら、わいわい騒ぐのが楽しい
posted by 熟年超人K at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 書き足しお気楽SF小説