2022年12月08日

ランボー超人Bの物語-16 大体ヒーローじゃんA

「やりましたねぇ。だけど、猪ってすごいタフですねぇ。いっくらランボーさんが叩き付けても、起き上がって来るんで、どうなっちゃうかとハラハラでしたよぉ」荘田君が正直な感想を吐き出す
「こりゃ、熊とかが相手だったら、なんか対策練っとかないとやばいよな」俺も本音が出ちゃう
「おおっ、次は熊っすか。熊かぁ、どこに行けばいるんだろ。青森で出たって前、ニュースでやってましたよね」
「そうだったっけ。でも本州だったら、月の輪熊だよね。北海道のはヒグマだから、もっとでかいんだよな」

「ヒグマ!それ、ちょっとやばいんじゃぁ…。そっか、知床とか行けば、すぐ見つけられそうだし、なんか牛を何頭も喰っちまったナンバー付きの巨大熊ってのも、いましたよね。そうなると、北海道でヒグマ退治の方が、いい画が撮れるかなあ…」なんて、荘田君がぶつぶつ言ってるんで、そうか次は一気にヒグマかぁとか考えちゃう俺
どうも、俺と荘田君は似てるとこあるみたいで、二人で喋ってるとなんでもラクショーみたいになっちゃう

「まあ、とにかく猪の画は撮れたんで、一応局に連絡入れときますんで、もう戻りましょう」って、荘田君はスマホを出すと、穴山Dらしき相手に電話してたけど、途中からぐんぐんしょぼくなってった
「ランボーさぁん、局に市役所から確認の連絡入ったみたいで、報道からウチにクレーム入ってるらしいっす。俺、すぐ新幹線で戻らんといかんみたいなんですよ。で、すんません、バイク持って帰ってもらえます?」ほかにも、バイクがTテレから飛び上がったの、ネットで拡散されたみたいで、そっちも国交省航空局から局に問い合わせが入ってるみたいだった

とにかく、しょぼんとした荘田君と新神戸駅で分かれ、俺は、おっかなびっくりだったけど、神戸に置いてく訳にいかないんで、バイクに跨ってTテレに飛んで帰った
もちろん、まだ荘田君は局に帰ってなく、穴山さんがバイク受け取ってくれたんだけど、彼もかなりめげてる様子だった。まあ、俺は局外者なんで、誰にも叱られはしなかったけど、後が大変だろーなって、荘田君と穴山さんに同情した
とにかく俺はバイクを返した後、超人ランボーコスチュームを脱いでから、マンションに飛んで帰った
部屋に戻ると、駒ちゃんは夕食の支度をしていてくれて、大活躍でめっちゃ腹が減っていた俺は、この娘と結婚ってありかなとマジ思った

それから1週間が過ぎたけど、神戸市の猪退治は放送されず、Tテレのザキさんからも穴山さんからも、なんの連絡もなかった。ただ、駒ちゃんがまた遊びに来てくれたことがあって、自衛隊からも国交省からも上の方に、大分大きなクレームがあったってことは聞いた
あと、警視庁の方も、退職願の返事もなんにもなく、俺は2〜3日は連絡あるかなーって待ってたけど、まあこんなもんか、って思って、放っといて久しぶりに雄仁塚建設に顔を出したりして、呑気に過ごしていた
posted by 熟年超人K at 21:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 書き足しお気楽SF小説