テレビ業界ってゆーとこは、どこも同じようなもんだと思ってたけど、この局はTテレよりもちょっとお高く留まってるような気がする
この金ブチ眼鏡の印象のせいなんだろうけど、コーヒーを出してくれた女の人も、かなりつんつんしてた
いや、そんなことはどうでもいいや、と思った(別に来なきゃいい訳だし)んで「で、そんなことより、結局あの娘に会わせてもらえるんですか、ダメなんですか?」って、上から喋りで強気に出てみた
「あ、そうですね、それがご訪問の主題だったんですよね。すみません、もう少々お待ち願えませんでしょうか」って、また、はぐらかしか
その時、ドアがバッって開いて、ステージ衣装のままの女の子が飛び込んで来た
「お待たせしましたぁ!、プロデューサーさんっ」息はあはあで、赤い顔して、汗一杯の額に髪の毛が一房張り付いてる女の子は、一生懸命なのがそのまんまで、まぶしく輝いて見えた
「ああ、ご苦労さまですマミさん。こちらは今話題のヒーロー、超人ランボーさんです。なにか貴女にお話があるそうで、ウチの局にお出でになったので、貴女に来て頂いた訳なんです。それでは、私は別室に引っ込んでますので、どうぞランボーさん、ゆっくりお話を」って、言うと、軽く会釈して、部屋を出て行った
ばかっ丁寧なのは好きじゃないけど、案外いい人なのかも、って俺はデータを書き換えた
板倉Pさんが出て行ったので、彼女は俺と二人っきりになって緊張してるように見えた(変なフアンが出て来たと思ってるんじゃないかな)
「すぅっごぉーいぃ!本物のちょーじんランボーさんじゃないですかぁー!マミたん感激ですぅ

「えっとぉ、今日、俺が逢いに来たのはですねぇ…」なんか調子が狂ってる俺
「あっ、そーかぁ、さっきマミが、ちょーじんランボーさんのこと、テレビで喋ったから、なにか間違ってるとこあるよ、って教えに来てくれたんですねぇ

いやまあそうだけど、いやそうじゃなくって、ちょっと誰から話し聞いてるのか、それだけなんだけど…
俺は、なんかどぎまぎしちゃって、話すに話せない状態になっちまってる
「い、いやぁ、間違ってるとかじゃなくって。ほら、あの事件に俺が関わってるって、友達から聞いたって」
「ああーそれかぁ。そですよね、なんかまだ言っちゃいけないこと、マミが言っちゃったって、それで叱りに来たんですねぇ。ごめんなさい」と舌ぺろ…う〜ん可愛い!!
「だから、叱りに来た訳じゃぁなくて、ですね、その話を教えてくれた、お友だちって誰なのか、教えて欲しいだけなんで…」これじゃあ、こっちがおどおどしてるみたいじゃんか
「お友だちのジョーはぁ、城崎くんだからジョーなんだよね。あの子、金髪にしちゃってるけど、パパは、しゃちょーなんで、割とお金持ちなんだよね。ランボーさんと最近、ダチンコになったって、自慢してたよ」…なーるほど、そうだったのか、やっぱりあいつが喋ってるんだ