2022年07月24日

ランボー超人Bの物語-14 正義なんだから暴れ放題@

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男の俺から見ても相当なイケメン野郎で、喋ってる最中に見せる微笑みの感じの良さったらない。けど、それより回数が多い冷たい目つきは、こいつが危ない奴だって、でかい字のタトゥーが彫ってあるみたいだ
一般人だった頃の俺だったら、10秒も同じ場所の空気を吸えなかっただろう

が、まあとにかく、今の俺は超人なんで、こんな奴どってことないんだが、俺の返事ひとつで、こいつの家来共がひどい目に遭わされるのを見たくない、って気がするんで、言葉にゃ気を付けんといかんぞ
「で、あんた、七星会の幹部連中、ぶっ潰してくれたんだってぇ、やるねえ、見かけによらず」結構、口の利き方ひでぇな、こいつ

どうも実力者になってから日が浅いんで、こういうときに気が利いた受け答えが出来んなぁ
「褒めてくれんでいいよ。あんたらジャガーズだって、ぶっ潰そっかって思ってるんだからよ」せいぜい突っ張って喋ったるわ。あっ、いかんかったかなぁ、家来たち叱られちまうわ、これじゃあ

「ふーん」って言ったきり、イケメン野郎は黙っちまった。ジョーが、そろそろこの場から逃げようとしてるのがわかる
「おぉっと、悪い悪い、立ち話なんてしちまって。まあ、奥に来てくれや」

「ジョー、お前が連れて来てくれたお客なんだから、お前も一緒に奥に来いよ」俺とジョーに話すと、くるっと向きを変えて、ドアの奥に入ってく
どうするって目で、ジョーに訊くと、ジョーが目つきで周りを見ろって言ってるんで、さりげなく見回すと、でかくてヤバそうなのが五人、居る

イケメン野郎はどこかに行ってしまって、俺が奥の部屋に入ろうとしたら、でかいのが後ろから俺の肩を押えて「おい、どこへ行くんだ!」低音のやけに響く声で吠えた
俺は黙ってその手を掴むと割と本気で、俺の頭越しにイケメンが消えたドアに向かって、放り投げた

どっだーんんん!!って、どでかい音でドアにぶつかって跳ね返って落ちた(運が良かったのは、ドアが厚手のキルティング加工で、柔らかめだったことかな)
「このやろっ!」って次の奴のパンチが、俺の頭にばちこん!って落ちてきた…けど、そいつは手を押えて、うずくまっちまった

周りのでかい連中の空気が変わった(それまでの、こんなちびが!、って気分が吹っ飛んじまったみたいだ)
それで、連中は腰を落として、手にした金属棒をシャッって振って、そこそこの長さの特殊警棒に変えると、無言で俺に向かって振り回して来た

「ジョー、ちょっとムチャクチャ暴れるんで、離れときなっ」一応、ジョーが巻き込まれんように気を遣ってひと言言っといて、身体に当って来た警棒を引っ掴んで、持ってる奴ごと、大きく振り回した
ごきっ、と嫌な音をさせて、肩が外れたままふっ飛んでった奴は、同じように警棒を構えている奴をかすめ、壁に当って落ちて動かなくなった

それを見た他の連中は、見て分かるくらいに怖気づいちゃって、俺に向かって来なくなって、遠巻きにしてる
これじゃ、時間が掛かってしょうがないじゃんって思って、俺の方からやっつけにいくことにした

とりあえず、前の奴に行くようにフェイント掛けといて、右側の顎の先だけ髭生やしてる、筋肉自慢に飛びかかって、胴体を両手で抱えて、上にぽんっと放り上げた
そいつは、天井の石膏ボードをぶち抜いて、そのままそこに刺さってる

そいつが、最後に重さで落ちて来るか、なんてことはどうでもいいんで、俺はすぐその右横に離れて身構えてる奴に、跳び膝蹴りみたいな恰好でぶつかっていった(再現アクションで親しくなった窪野さんに教えてもらった技だ)

なにしろぶつかってくスピードが尋常じゃないんで、そいつも警棒を構える間もなく、どっかーんって後ろにすっ飛んで、壁にぶつかって倒れた
それが合図になったみたいに、残りの三人がメチャクチャに警棒振り回しながら、俺を袋叩きにしに来た

折角なんで、って言うか、警棒で打たれても、どってことないのが分かったんで、ちょっとの間、叩かせっ放しにしておいた。叩き疲れた奴が順番に手を止めて、俺のことぎょっとした顔で眺めてる
そいつらも、なんにもなく終わったら、きっとあの嫌味ったらしいイケメン野郎から、叱られるんじゃないかって思ったんで、一人ずつ両手を揃えて、どーん、って突き飛ばしてやった

皆、だるま落としみたいに、そのままぽーんって後ろにすっ飛んで、この部屋でのアクションシーンはカットになった
部屋の隅で、身を縮めていたジョーが「終わったんっすね、兄貴」みたいな、定番のセリフを吐いた
posted by 熟年超人K at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 書き足しお気楽SF小説