2021年12月14日

ランボー超人Bの物語-9 超人って楽しいかもB

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俺としては、騒ぎが面白くなってきた、くらいのお気楽モードだったんだけど、あっちはそうは思ってなかったみたいで、ガタイ成森くんからスマホに着信があった
テレビを観ていたんで、気付かなかった俺は、3回目の着信をタップしてガタイくんに電話した

「すみません、上辻曲です。なんかお電話頂きました?」
「ああ、上辻曲さん。電話おかけしたのは週刊風評のことだったんですが、もうご覧になってますか?」
「あ、はい、コンビニで見ました。テレビも」
「おっ、そうなんですか。それで少々まずいことになってましてですね。至急、本庁の方にお越し願えませんでしょうか」って、俺の都合を聞いてる風だけど、結局、とにかくすぐ来てくれって、圧みえみえじゃん

ま、どうせこっちは警察なんて今更怖くはないんだけど、なんとなく急いで行かんと、って気にはなっちゃってるのは、悲しい習性ってやつだなぁ

急いで超人服に着替えて、アパートからブッ飛ばしたんで、指定された警視庁の屋上ヘリポートには3分で着いた
まだ、一人しか屋上には居ず、遅れて星崎さんとガタイのいい成森さんが出てきた
「おおっ、早いな。上辻君はもう着いてるぞ、成森」
「もうお着きになったんですね。確か、立川市にお住まいだったはず、ですよね」超人という者の本当の凄さがやっと分かって来た、というような顔をしてる。それに比べると、偉そうマンの星崎さんは落ち着いてる

「まあ、こんなところではなんなんで、場所をご用意しました。こちらへどうぞ」こんなところに呼び出したのは、そっちじゃないか、って思ったけど、まあここは大人な対応で、俺はにこっと笑って、二人の後に続いて警視庁の中に入った
今回は、屋上入口からエレベーターで14階にある会議室みたいな部屋に案内されて、なかなか美人な制服の女の子が、お茶を持って来てくれた

お互い向かい合うように座り、お茶を一口飲んだ後、星崎さんが口を開いた
「上辻さん(じゃないのに!)、昨日出た週刊誌はともかく、警察庁上層部ではテレビ報道を気にしておりまして…」言葉を途中で止めて、お茶をもう一口飲んで
「先日、警視総監とお話されたことが、ほんのちょっとでも漏れれば、我が警視庁の根幹に影響を及ぼし、ひいては我が国の法治体制を揺るがしかねない、という判断になりました」なんだかややこしくて、よく分からない

「って言うことは、結局なんなんです?俺を逮捕して、裁判にかけたいとか、そういう話なんですか?」
「いやいやいや、貴方を逮捕したって、どうせ拘置所でもぶち壊して、出て行ってしまわれるのは分かってます。そんなことになったら、警察権の及ばない、というより法律の及ばない存在が、この日本にあるということになってしまいます。それは、避けたい」ん…じゃ逮捕しないっていうこと?
「そこで、貴方に相談なのですが。どうでしょう、貴方が自由に正義の味方をやれて、法律に触れない方法があるとしたら」へぇ〜、そんなことができるんだ

「その方法とは、貴方に警察庁直轄非常勤職員として、警視庁特殊事件捜査係、つまりSITに所属して頂ければ、というプランなのですが」星崎さんは、どんどん話を進めていく
「ちょっ、ちょっと待ってください。俺が警察官になるってこと?」
「いいえ、上辻さんは上辻さんのままで(上辻曲だっつーの)構いません。ただ、貴方の特殊能力を警察のためにも活かして頂いて、例えば立て籠もり事件の解決だとか、大規模事故の際の人命救助だとか、車で逃げる重要手配犯の確保などの事件があった際、ご協力願えればということで…」なるほどねぇ

「俺としても、超人になったとき、正義の味方になろうって思ってたんで、それは構いませんよ」
「そうか、そりゃ良かった。それで、この案を出したのは宇良沢刑事部長でして、ちょうどこのフロアにいますので、お引き合わせさせて頂きましょう」なんか、最初からそう決まってたんじゃないのか、って思った俺

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宇良沢刑事部長って人は、このフロアに居るってことで、今から一緒にご挨拶に行きましょう、ってことになった
ちょっと立派な木の扉を星崎さんがノックすると、どうぞ、と低音の迫力ある声がした

中に入ると、大きなデスクの後に、色黒のブルドッグみたいなおっさんが座っている
「やあ、どうぞどうぞ。そちらにおかけ下さい。星崎警視、この方が例のスー○ーマンの方ですね」話し方は丁寧っぽいけど、声に迫力があるから、なんとなくこっちが小さくならされる感じだ(威圧感ってやつ)

「はいっ、こちらが超人ランボーこと上辻(…曲ですと小声で訂正したった)、上辻曲さんであります」あの星崎さんが緊張している
一応、俺もぺこりとお辞儀をして、ブルドッグが示してくれた応接椅子に座った(星崎さんは立ったまま)

「上辻曲さんは、いろいろなことがお出来になるらしいね。後で、少し模範演技を見せて頂こうかな」
「はいっ、では後ほど屋上でご覧頂けるよう、計らいますので、よろしくお願いいたします」星崎さん、かちかちだ

「SITの非常勤職員として採用となっているんだから、一生懸命やってくださいよ」ん…なに、この感じ?
「俺、一生懸命務めることになってるんですか?」星崎さんの方、向いて小声で訊く

「はっ、彼の場合、民間特殊技能者としての嘱託技官となりますので、常勤ではなく、あくまで非常勤職員として警察庁管理下の職員という待遇になっておりますので、その辺りお含みおき下さいますよう」星崎さんが俺に聞かせるように、再確認してくれた

「そりゃ、表向きは、だろ。いやしくも警視庁刑事部として、所属してもらう以上、最低限の規律だけは守ってもらわなきゃいかん。そうだろ、星崎警視」う〜ん、上から発言する人だなー

「まだ、俺としてはお願いした積りは無いんで、別に警察に就職したいって訳じゃ…」って喋りかけたとき
「今回の協力依頼は、大妻総監の肝いり案件ですので、その辺りのご配慮、よろしくお願いします」星崎さんが話をかぶせてきた(偉い人同士の話って、めんどくさいなぁ)

「わかったわかった、とにかく上辻曲くんだっけ、嘱託とは言っても警察組織の一員になるんだから、日頃の行動には気を付けて下さいよ」随分偉そうな口ぶりでそう言うと、「じゃ、君の力を見せてもらおうか」って言いながら立ち上がった

立ち上がったら、意外に背が低くて(俺より大分低い!)、それががに股で歩くもんだから、ブルドッグそのものに見える(多分ここでのあだ名になってるだろな)

この刑事部長に比べると、星崎さんは背も高くて、ずっとかっこいい(別にそれがどうしたって訳じゃないけど、テレビに出てたっておかしくない)

屋上に戻ると、成森さんが何人かのSIT隊員っぽい人たちと待っていて、星崎さんが合図すると、ばらばらっと俺を取り囲んだ
posted by 熟年超人K at 12:59| Comment(0) | 書き足しお気楽SF小説