2021年07月19日

ランボー超人Bの物語-8超人って大変E

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けど、俺だって、どうして超人になれたかなんて、説明できない
それに、あの未来人の宇宙人、いや宇宙人の未来人が正しいかな、の時空なんちゃらにぶつけられたなんて、言えない約束だし…

言ったとこで、信じちゃもらえないことを、うまく説明するなんて、俺にはできないから「それは秘密なんです」って、うやむやに言うしかなかった(手術みたいなことされたかもって、俺だって分かってないことだし)

「言えない。そうでしょうねぇ。ただ、生まれながらに超人、だったって訳ではないんですよね」殿倉さんは、そう簡単には許してくれない
「ええ、まあ…。子どもの頃は、普通の子でした」なんとか、うまく説明できないとまずい!

「いつかどこかで、宇宙人の宇宙船に連れて行かれて、超人のDNAかなんかを植え付けられた、とか…」レイコさんが、うまいことフォローしてくれた

「そう、そうなんですよ。でも、そこんとこは秘密にしておいてくれ、って。そうしとかないと、ほかの宇宙人たちとの協定に違反になるんだとか…」後半は、俺の思い付きで足したんだけど、それがいかんかった!」

殿倉さんとレイコさんが固まって、それを見て水越アナと女子アナさんも黙っちゃって、会場の皆も、ざわってなった

「い、いや、ほかの宇宙人ってのは、俺を超人にしてくれた宇宙人のお仲間、っていうか、同じ星のって意味で、ほかにも別の宇宙人たちが居るって、意味じゃ…」俺は、宇宙人連合みたいなのなんて、ないって言うつもりだったんだけど、スタジオの皆には、宇宙人がいるってだけで、充分びっくりだったみたいで…

「…と言うことは、貴方は、どこかの星の、科学がすごく進んだ宇宙人が、なんらかの目的で、貴方を超人にしてくれた、っておっしゃるんですね」殿倉さんが、えらくややこしく訊いてきたんで、あんまり質問の深い意味はわからなかったけど、とりあえず俺はうなづくしかなかった

「わかりました。これは、もうこの番組でどうのこうのと決められる問題ではなさそうなので、今日は、このままお帰り頂いて、またなんらかのご連絡を差し上げることになろうかと思います。また、その節にはご協力をお願いします」

と、殿倉さんが昨晩打ち合わせた番組転換の、合図のセリフを口にしたので、俺はうなづいて、スタジオからの退出通路を、ADさんに案内されて廊下に出た

廊下の出口には駒沢さんが待機していて、「お疲れさま」と短く言って、その後は黙って俺を控室に案内してくれた
部屋に入ると「本当に、宇宙人があなたを超人にしたの」と、心配顔でそう言った

「いやぁ、そこんとこ実はよく分かんないんだよね」俺は意識して、明るく軽い調子で、そう答えた(なんか、まずいことしでかした感、満載だったのはわかる)

「きっと、いろんなとこから、あなたを調べたい、って言ってくるよ」心配そうな顔
「いろんなとこって、役所とか、警察とか、大学の研究所とかかなぁ」俺も急に不安になってきた

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そんなこと言われると、なんだか未来がうっとおしくなってきちゃう
「ま、いいか。調べたいって言って来たって、俺、そんなの無視するし。それより、駒沢さんに、なにか迷惑かけるのかなぁ、そうなると」

「いいよ、そんなの気にしなくって。わたしとあなたがつきあってるとか、思われてないし…」真剣に喋ってる顔も、俺は好きだよ、駒沢さん

「じゃあ、俺はこれで帰るけど、また連絡するから」いつまでも、こんなとこで喋ってる訳にはいけないし、駒沢さんだって、まだ仕事がありそうだから、俺としては気を利かせたつもりだよ

結局、俺はあの衣装着たまま帰っちゃって、その後、どうなったか知らなかったけど、朝、がやがや喋ってる人の声で、目が覚めた
ん…なんだぁ、と思って、カーテンも開けずに、アパートの下の通りを見ると(無意識に透視してた)、怪しげな連中が十四・五人、通りに群がってる

あれだ、よくテレビのワイドショーや、ニュース番組で見る、事件が起こった建物の前に集まるマスコミって状態だよ

なんかどうしようって気になって、あせあせしたんだけど、よく考えると、別に悪いことした訳じゃないし、それで少し落ち着いて、まずテレビを点けてみることにした

やってるやってる、見覚えのある俺の住んでるアパートの前で、レポーターの女の人がカメラ目線で喋ってる
『こちらが、あの超人ランボーと名乗っている男性のアパートです。各局の取材陣も集まって、辺りは騒然としています』…って、あんたたちが、騒然としてるだけだろ(と思わずツッコミ)

『同じアパートにお住いの方がいらっしゃいましたので、お話を伺ってみたいと思います』おお、102号室の、なんとかさんだ(名前、大前田さんって言うんだ…)

『ええ、でも××さんは、おとなしい方ですよ。そんな超人、ですか、そんなことしてる人には見えなかったけど…』無難な応答を見て、別のチャンネルを観てみる

『ああ、はい、まだ警察の人たちは到着していません』なーんと、警察まで来るのか…!
それでも、テレビの中の俺のアパートの2階には、まだ誰もやって来てはいない。こりゃ、警察が来るまでは、入らないように言われてるんだな、と俺の頭は珍しく冴えた

その時、スマホの呼び出しメロが流れた(駒沢さんだ!)
「もしもし、勇太郎さん。わたしです。昨日、勇太郎さんがウチの局との専属契約を断ったので、ウチは手を引いたの。それで、各局の取材チームが、あなたのアパートを探し当てて、一斉に動いたの」

「そんなことだと思ったけど、警察も来るって言ってるよね、一昨日の首都高の事故のことで来るのかなぁ」
「違うわ。なにか他の、大分前に中央線で起きた爆発事故に、貴方が関わってるんじゃないか、とか言う話があるみたい。ね、関わってるの勇太郎さん?」おお、忘れてた!あれだ

「それでね、もし、その電車事故に関わってるんなら、今日は、空飛んで逃げちまえって、言ってたわ。超人は一般人とは違うってとこ、見せといた方がいい、だって」ふーん、ということは、これから先、超人として活躍する気なら、一般人相手の法律なんて無視しろ、って言う事か(多分、殿倉さんが言ったんだな)

俺は、納得したんで、こんなときわざわざ電話してくれた駒沢さんにありがと、言って、知恵を付けてくれた人にもよろしくって言っといた

遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきたんで、俺は、これまで貯めた預金通帳とか、少しの着替えとカロリーメイトなんかをリュックサックに入れ、超人ユニフォームに着替えて、それを背中に、窓を開けると宙に飛び出した

それでも、折角集まってくれたテレビ局の人たちに、少しだけサービスしといた方がいいと思ったんで、わざわざアパートの上空をぐるっと一周して、手を振って奥多摩方面(だなと思った方へ)目指して、飛び去った

少し高度を上げようと、空を見ると、テレAとかNテレとか、そしてお馴染みのTテレのヘリが飛んでたんで、殿倉さんにお礼の積りで、Tテレのヘリコプターのそばに寄ってから、一気にスピードを上げて(ジェット機じゃなきゃ、付いてこれっこない)、街が随分小さく見える高さまで上昇したんだ
posted by 熟年超人K at 16:20| Comment(0) | 書き足しお気楽SF小説