2021年05月01日

ランボー超人Bの物語-8超人って大変@

210415↓
「そりゃー、なんかいいことありそうじゃないっすか、有名になったら」真顔の合田社長にマジ返答
「有名って、どういうことだと思ってるんだ、ゆーたろーは」そりゃ、街を歩いてたら人が寄って来るとか、他の有名人と会うことがあるとか、かなぁ…。でも、もうちっといいこと言わんと、社長に馬鹿にされそう

「ま、俺のことが知れてれば、皆が頼りにしてくれて、俺としては、それで良いことするにもし易くなるし」あんまりそこまで考えたことなかったけど、一応そう言ったみた

「そうか、じゃ世間の、お前が知らない人が、なにかやってくれって言ってきたら、ゆーたろーは人助けするってんだな」…そうか、見ず知らずの人たちが、俺も助けてくれ、わたしも助けて、って言って来たら、そりゃ全部助けるは、無理になりそうだな

「ええっと…それはそうなると順番付けるのも大変なんで、俺がやれそうな範囲でってことで…」
「だったら、お前がやれそうな範囲ってぇのを、世間様にあらかじめ分かっておいてもらわんと、大混雑になっちまうなぁ、お前んとこは」なるほど、そりゃそうだろうな。無制限の特売デーみたいなもんだ

「じゃあ、社長さんだったら、こういう場合、どうされるんでしょう?」素直に訊いてみることにした
「俺はなあ、ゆーたろーがスー〇ーマンだってことで、有名になっちまったら、えらいことになるんじゃないかと思ってるんだ」

「へっ、でも、テレビの人たちは、その線で俺を売り込むみたいですよ」
「だから、俺は心配してるんだ。考えてもみろ、ああいったスー〇ーマンとか、なんとかマンって連中ときたら、無料奉仕で助けるんだぞ、しかもだ、上手くやれなかったら、大衆って奴は、あーだこーだ言うんだぞ」

なんか、合田社長が俺のことで、一生懸命喋ってくれてることが、嬉しくなってちょい涙っぽいのが出てきた
「そうっすよねー、無料で片っ端からやってたら、いつかぶっ倒れちゃいますよねー。あ、超人だからそういうのはないか」少し冗談っぽく言って、はぐらかしたけど、きっと社長さんの言ってることって当ってる

「まあなんだ、お前がタレントみたいになって、ウチの仕事を出来んようになるのも困るが、とにかく、お前を利用したいってぇ奴は、わんさか出て来るだろう。せめて、お前の一存だけで仕事が選べりゃいいんだが、多分、なんだかんだで、自由が効かなくなるだろ。国だってきっと放っておかないだろーしなあ」心配顔

「で、俺はどうすりゃ良いんですか、社長」聞いてるうちに、なんだか大変なことになった気がしてきた
「そりゃなんだな、うーんとお前が高いとこから相手をするか、思いっ切り単純に、好きか嫌いかで相手をするかだろうな」う〜ん、分からんこと言うなぁ

「高いとこって、どんな感じのとこです?」まず、分からんことは、訊くだよな
「高いとこってえのは、一般人とは違う考え方、ってことかな。つまり、坊さんとか偉い先生みたいに、自分の欲とか出さんことだな」欲を出さんって、あれが欲しいとかいうこと…無理無理無理、俺、欲一杯あるもん

「単純に、好きか嫌いかで考えるってのは分かりますが、そんなんで、大丈夫なんですかねぇ。世間って」
「まあ、悪く言う奴は悪く言う、良く言う奴は良く言うってことで割り切れりゃ、お前にとっては分かり易い世の中になるだろうな」

そっか、分かり易いのがいいな。合田社長も滑川さんも、俺は好きだし、その線でいけばこの会社の手伝いも出来るしな、って納得(好きか嫌いか決めるのが大変って、まだ分かってなかったんだよな、この時は)

210501↓
一応、すっきり気分になった俺は、社長さんに「ありがとうございました!」って、できるだけ元気な声でお礼を言って部屋を出て行こうとした
「おいおい、まだあるんだよ。お前は気が早くていかんなぁ」って手招きして、社長が呼び止めた

「はい?」まだあるんですか、って顔して椅子に座り直す
「それはなあ、契約書みたいなもんには判は押さん方が良いぞ、ってことだよ」なんだか、いつもの社長さんと違って、妙にいいことばっか言ってる

「はあ、契約書のハンコですか。そんなようなこと、死んだ親父も言ってたんで、俺、まだテレビ局の契約書は、サインしてないんですよね」やっぱ、サインしないのが正解だったか

「まあ、テレビのはそう無茶は書いてないだろうけどな。なにが書いてあったのか、覚えてるか?」う〜ん、なんて書いてあったんだっけ…
「なんか、Tテレビの番組を優先する、みたいなことが書いてあったかな、と思うです」

「そうか、まあ、悩むんだったら俺に相談するとか、誰かこういうことが分かってる人に見てもらうといいぞ」いろいろ心配してくれた合田社長が、いつもより立派な人に見えて来る
お礼を言って、雄仁塚建設を出た俺は、なんとなく駒沢さんのこと思い出していた

アパートに戻ってから、なんだか何もやる気が起らなくて、ついつい駒沢さんにメールなんか送ってみた
『駒ちゃん元気?』って、それだけなんだけど、送信をクリックしただけで、急にどきどきした

しばらく、スマホを眺めてたけど、なんの着信音もなく、そのうち自分がアホらしくなって、冷蔵庫開けて、第3ビール開けて飲みながら、テレビを点けた

ちょうどやってるのが『午後だよGo!Go!』で、だったら、駒沢さんはアシやってるから、メールは当分見られんなぁと、かなりがっかり気分に落ち込んだ俺

夕食、どうしようかって考えてると、メールの着信音が鳴った
『わたしは元気だよ 今夜の打合せ OKだよねわーい(嬉しい顔)』もちろんわーい(嬉しい顔)って、すぐ返信しようとして、『相談があるんで、9時に行って良い?』と、付足して送信した
posted by 熟年超人K at 11:55| Comment(0) | 書き足しお気楽SF小説